夜が明けました。 せっかくの家族旅行ですから、お天気が良くて ホッとしました。
柔らかい秋の日差しが 部屋の奥まで差し込んできます。 朝食も部屋食です。
朝風呂に入り、お庭をゾロゾロと散歩をして、記念写真も撮りました。
見えるもの、聞こえるもの、何もかも 全部覚えていたい気がします。
お宿の支払いをしてくれる 息子の後ろ姿は頼もしく見えました。 正真正銘の 親バカです。(笑)
お宿のすぐ前に
「中原中也記念館」があり、息子は 訪れるのを楽しみにしていたようでした。 内部は撮影不可。
井上馨記念公園に 彼の詩碑があり、風景印にもデザインされています。
記念館前の路地は「中也通り」と呼ばれ、マンホールの蓋もそのイメージになっています。
マンホールコレクターとしては、うれしいこだわりです。
添乗員shinmamaは 家族の好みに配慮して4か所の訪問先をチョイスしておきました。
<< 龍蔵寺(りゅうぞうじ) >>
観音堂の前の「巨樹イチョウ」は、国の天然記念物に指定されています。
高さ45m、根元12.7mあり、樹齢は約900年と推定されています。
「鼓の滝(つづみのたき)」は、落ちる水温が鼓を打つ音に似ていることから名づけられました。
<< 瑠璃光寺五重塔 >>
全国に現存する五重塔の内で 10番目に古く、美しさは日本3名塔の一つに数えられています。
檜皮葺屋根造りであることは、奈良の室生寺と長谷寺、宮島の厳島神社と同じです。
息子は何やら絵馬に書いて 祈願しておりました。 願いがなんであれ 叶いますように、、。
<< 常栄寺 雪舟庭 >>
雪舟が築庭したといわれる簡素で合法な庭園です。
紅葉の赤い色が墨絵のような景色のアクセントになっています。
枯山水のお庭は 京都に長く住んでいた息子の解説付きで拝観しました。 さすがに詳しい。
<< パークロード >>
山口駅から北にまっすぐ伸びている通りで、「日本の道百選」にも選ばれています。
例年なら落ちているイチョウですが 今が盛りと美しく輝いています。
ここで息子は、大阪に戻る時間になってしまいました。 新山口駅でお昼を食べて 別れます。
「体に気をつけて。 無理をしんさんなよ」 「ばあちゃんも 風邪をひかないようにね」
shin-grandma と 息子の別れはつきません。
頑是ない歌 (中原中也)
思えば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気は今いずこ
雲の間に月はいて それな汽笛を耳にすると
竦然として身をすくめ 月はその時空にいた
それから何年経ったことか 汽笛の湯気を茫然と
眼で追いかなしくなっていた あの頃の俺はいまいずこ
私も shinpapaも shin-grandmaも このまま広島に帰る気になれず、
広島とは逆方向の西に向かって 車を走らせることになりました。