岐阜県北部、庄川の源流部に位置する白川村の合掌造り集落は 1995年ユネスコの世界遺産に登録されています。 「合掌造り」は 手を合わせて合掌している手の形に似ていることから名づけられたそうですが、白川郷では 郷全体で 自然に逆らわないように さまざまな工夫がされています。 谷から谷へ吹く風を家の切妻で受けるように、また冬の屋根雪が落ちやすいように 日照量を考慮して建てられているため、集落の家はみな 同じ向きに建っています。 構造的には 生活空間を広く取るために 軸組みを強固にし、 釘を一本を使わず マンサクの若木や縄を用いて メインテナンスがしやすい工夫もされています。 特に白川郷の合掌造りの屋根は「寄棟造り(左)」ではなく 「切妻屋根(右)」であることが 特徴です。 白川郷の「神田家」より 左; 「おえ」 (囲炉裏のある応接間、家族だんらんの場所) 右; 「でい」 ( 暖炉の間から 客室・賓客室へ廊下なしで つながっている) 左; 「うすばり」 (強度保持のため 少し弓なりになった 桁や梁) 右; 「あま」 (2層に仕切られていて、養蚕などが行われていた) 「あま」の 2層部分からの眺め 左; 「そらあま」 (あまの最上層。囲炉裏の煙がここに充満している) 右; 「屋根裏」 (部材の結束に 釘は一本も使われていない) 「そらあま」の 最上層からの眺め 寒さの厳しいこの日でも 上層まで囲炉裏の熱が伝わり、非常に暖かい反面 いぶされた匂いが家中に立ちこめ、そこらじゅうが真っ黒です。 なかなか 現在も使われている合掌造りの家に入る機会はないので 大変興味深く、多くの写真を撮らせていただきました。
by saint-arrow-mam
| 2014-02-23 00:02
| 中部・東海地方
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Comments(12)
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よし坊
at 2014-02-25 15:53
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今回も一寸眼を離している隙に何ページも更新されて慌てて居る何時もの私、、、
さて、冬の雪国行きはパックツアーがベストチョイスと教えてくれた今回のブログです。 黙っていれば時間が来ると弁当も出てくるし、列車の向きが変わろうと心配しなくても良いし。食後の運動に大滝にまでちゃんと連れて行ってくれるし。 勝手な想像ですが、雪の白川郷は夏程の賑わいがないだろうから少しは静かにドップリと浸かって村落巡りが出来ると教えて頂いたブログでした。 有難う御座いました。冬の白川郷・・行かなくちゃ!!
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昨秋の白川郷訪問では、どうしても行きたかった場所が神田家でした。
現役時代のある年の修学旅行で白川郷へ、生徒を分宿させて付添教師はここ神田家に一泊しました。 そのことを主人に話したのですが、代が変わってご存じなかったです。 囲炉裏の前でシャッターを押して貰い、そらあまに登ったら ここに載せられたアングルの前に立たされ、 最上層からの眺めを背景でも撮って貰いました。人物が黒ずんでモノにならず (笑) 懐かしい写真の数々です。 今日の広島は PM 2.5が襲来、窓から見える遠景が霞んでいます。 外出を避け、久し振りにパソコン前に座っています。
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パンジー
at 2014-02-25 18:07
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同じ神田家でも季節が違うと景色も違う…当たり前ですね(笑)
そして専門家の説明に、「うんうん、へぇ~」っと思わず肯きながら… 「なるほど、そんな風に見るんだ」と、感心しきり。 ツアーを探して、冬の白川郷探検に出かけたくなりました。 そして、お疲れ様でした、koharuちゃんはもう大丈夫の様ですね❢
よし坊様
ずっと行きたいと思っていた白川郷でした。 広島からより東京からの方が なんとなく行きやすいような気がしましたが 気のせいでしょうか? ライトアップの時期の白川郷の夜は 身動きできないほどの人が集うそうですが昼間はさほどではありませんでした。 バスを待つ時間、食事をする時間を考えなくて良く、お得な価格なので、パックツアーも悪くはありませんが、28名もいると 集合時間を守らない人がいて イライラさせられます。(笑)
Hiro様
白川郷でもう一軒 公開されている合掌造りの家に 和田家がありますが、ガイドさんのおススメは神田家でした。 Hiro様が秋に神田家に行かれていたことも存じていたので 迷わずこちらにしました。 かつて養蚕と硝煙で生計を立てていたと言われる古い神田家ですが、 囲炉裏の匂いが体に滲みこむといって娘さんが嫌がるそうで、 今どき、なかなか火をつけることができないとおっしゃっていました。 私が秋の白川郷の風景を拝見してびっくりしたように Hiro様に「へぇ~」と驚いていただけると嬉しいのですが、、、。(笑) Shinpapaは 主として景色を写していましたが、私は中の方が面白くなかなか出ることができませんでした。 実は過日、NHKで白川郷の屋根をふく様子を放送していたので 予備知識はそれなりに、、、。(笑) そうですね、都会と異なり、季節によって、自然環境によって 大きく左右される地域だと思いました。 はい、koharuはなんとか今日一日頑張りました。 ホッ!!
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うつきよう
at 2014-02-26 01:37
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長野県側から見慣れている山々も、反対側から見ると並び順が変わるので、新鮮です。
例年より雪が少なく、寒い・・・ 降るべきところに降らなかった雪が、今回、降らないはずのところに、まとめて降っちゃったんですね。 夏に、高い場所から集落を見下ろしたことがあります。 合掌造りの家々がまとまって建っている風景をとても印象深く覚えています。 富山の五箇山でもそうでしたが、 合掌造りの家に住みながら家を維持し、 集落の景観を守っていくのはたいへんなことでしょうね。 近代的な家に住みたいと思う気持ちもわからなくはないですね。
うつきよう様
Shinpapaは2度目の白川郷だったのですが、何も覚えていないし、 私にはポスターのイメージがあるだけでした。 ちょっと憧れたモノトーンの世界は 少しさびしくて、 観光客の華やかな服の色がせめてもの救いでした。 とはいえ、土日になると どやどや人が家の前を通り、覗き込まれるような生活は大変だと思います。 長野がすぐ近くにあることを 地図を見て知りました。 うつきよう様のお住まいの西方へお邪魔したのですね。 来月も甲府の近くにお邪魔します。
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okadatoshi at 2014-02-26 13:25
Okadatoshi様
ガイドさんの話では 建築を専攻している学生さんに 屋根の吹き替えなどを手伝ってもらうこともあるそうですが、高いところに上がらせるわけにはいかないし、最近では専門の業者に頼むことが多いそうです。 思いますに 今の建築基準法に適合した強度での建て替えはできないので 特例とはいえ、住んでいらっしゃる方は 耐震性が不安でしょうね。
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
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