『武相荘(ぶあいそう)』


 2012年に 吉田 茂を取り上げたドキュメンタリードラマ を見たことがきっかけで
 「白洲次郎」という人に興味を持ち 彼に関する本を読んだことを ブログにアップしました。

 その際に いろいろサイトで調べているうちに
 東京の町田に 彼の家「武相荘」が残っていて それが一般に公開されていることを知りました。

 ずっと行って見たいと思っていたのに 町田は遠くて行けないままでいましたが
 やっと 実現しました。003.gif

  豊洲 〜(有楽町線)〜 市ヶ谷 〜(総武線)〜 新宿 〜(小田急線)〜 鶴川
   快速急行を利用しても 片道 1時間かかります。
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 海外での生活経験が長い白洲次郎は、昭和15年、日米戦争は不可避だが、
 参戦すれば日本は負けると断じて 職を退き、疎開の準備に入り、
 昭和18年には 東京郊外の鶴川に移転して もっぱら農業に従事しました。
 
 その際 地元の農家を農地ごと買い受け、「武相荘(ぶあいそう)」と名付けました。
 「武相荘」とは、武蔵と相模の境にあるこの地に因んで、
 また彼独特の一捻りしたいという気持から 「無愛想」をかけたようです。

 半世紀にわたり、白洲次郎氏と奥さんの正子さんが住んでいた「武相荘」は
 2人が亡くなった後、ご家族の手で 2001年より、萱葺き屋根の母屋・納屋など、
 ほぼ全域が公開されています。

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 昔は のどかな田園地帯だったのでしょうが、今の鶴川は ベッドタウンです。
 鶴川駅から 歩くこと15分、閑静な住宅街の中に「武相荘」があります。
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 入口の新聞入れを兼ねた郵便入れは 木製の臼(うす)です。
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 平屋建ての母屋を 資料館として利用しています。
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 茅葺き屋根に はえている苔の緑が美しく、周囲の風景にうまく溶け込んでいます。
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 次郎・正子二人の書斎や家族の居間には、家具や持ち物、写真類、
 次郎手製の調度品や実際に使った農機具などが 所狭しと展示されています。

 ただ、館内は撮影不可なので、HPの画像で。
 
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 母屋の隣の農作業小屋が レストランになっています。
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 中には 2人の写真や調度品が飾られています。
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 2人の趣味が良かったのか、ご家族のインテリアセンスが良いのかわかりませんが
 アンティークが醸し出す素敵な空間になっています。
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 メニューは多くありませんが、
 白洲次郎が好きだった料理が 再現されているようです。

 「豚肉のソテー」と
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 「親子丼」を頼んで シェアしました。
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 どちらも 少し個性がありインパクトがある味で とても美味しかったです。

 食後に遊歩道を散策。
 遊歩道と言っても 庭の中の歩道、、という感じです。
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 人工的に作られた庭ではなく 自然の花が咲いているお庭であるところが
 イギリス育ちの彼らしい気がします。
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 東京では珍しいことに マンホールの蓋が ちょっとオシャレな 鶴川。
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 歴史上の人物だと思っていた白洲次郎を より身近に感じることができて
 楽しい1日でした。

by saint-arrow-mam | 2016-09-18 06:00 |    1941~1960年 | Comments(6)
Commented by TanMatsui at 2016-09-18 07:19
行って見たいと思っていたのに、遠くて行けないままでいたが、やっと 実現された行動力に、
そして、このように判りやすくブログで紹介され、  驚き & 脱帽。

始めて目にした 「武相荘」 が ググる必要もなく、よくわかりました。

例によって近況連絡
広島は昨夜来 市内と周辺に大雨・洪水警報が発令、避難準備や避難勧告で、
今朝メールを覗いてたら、各区からの 「避難に関する情報」 がワンサと届いていました。
孫達の住む佐伯区の学区も避難勧告が出ているので、これから様子を尋ねます。

昨夜は あっという間に約70mm 降りました。
http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/yesterday-67437.html?areaCode=000&groupCode=50


Commented by okadatoshi at 2016-09-18 08:15
Hope She will be MORE TIDY! 1979
の落書きは見ましたか?

戦後という時代が白洲と吉田が育て、またこの二人がいたからGHQと渡り合え乗り切れたのでしょう。
今の日本に、このような人物がすでに育っていればいいのですが。
余りにも混沌。

このような施設が江戸には集中しているのが改めてうらやましい。
Commented by shinmama at 2016-09-18 10:10 x
Hiro様

近年、レストランやミュージアムショップ内部を
リフォームされたようですが
周囲の近代的な建物のなかで 茅葺きの家、、、、という
不思議な空間になっていました。
やっと 行くことができ、この目で見ることができて ホッとしました。

広島の警報が 東京のテレビ画面に映るたびに心配しています。
強風が吹くことなく 雨だけで終わってくれればよいが、、と祈る気持ちです。
Commented by shinmama at 2016-09-18 10:26 x
okadatoshi様

新婚当時に 奥様に送った英文メッセージは見ましたが
この落書きは見ませんでした。
どこに あったのかなあ? 見落としてしまいました。

憲法の草案原本や、天皇直筆のサイン入りの画像、
福沢諭吉の書や吉田茂関連の外交書類など
どれも 個人で所有していることに驚きました。

白洲次郎にまつわる逸話や 残っている彼の語録はどれも痛快で
このような人が あの時代にいてくれて本当に良かったと思いますし、、
彼を見出し 重用した吉田茂という人も凄いと思います。

はい、実現まで思いのほか長くかかりましたが、
お江戸にいる間に 実行できてよかったです。
Commented by パンジー at 2016-09-18 13:04 x
とっても行きたくって行きたくって、でも御縁がなくって…
このような形で拝見できてうれしいです。
私は白洲正子さんに興味があって、こちら『武相荘』に興味津々。
ちょっとブームになって、雑誌などで拝見してはいたのですが、
やはりあの空気に包まれてみたいものです。
ここで出会えるとは… 
これは呼び水かもしれませんね。
そうですとも、是非とも自分の足で、自分の目で❢
Commented by shinmama at 2016-09-18 13:16 x
パンジー様

そういえば
来られていた女性の方たちも 奥さんの正子さんに興味がある方が多いようで
現地で 案内係の方に熱心に質問をされていました。
私など 次郎氏については 詳しく知りたいと思って本を読んだりしましたが
奥さんについては 全く知らなくて、、、。

是非パンジー様の目線で 「武相荘」をご覧になって ブログにアップしてくださいませ。
感じるところが全くかもしれないので 楽しみです。

レストランは 美味しかったのでお勧めです。
平日は予約ができるようです。


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