『草間彌生 わが永遠の魂』


 瀬戸内海に浮かぶアートな島として知られる「直島(なおしま)」。

 安藤忠雄が設計した「地中美術館」には 訪れたことがありますが、
 その時、直島で 出会ったのが このユニークな「かぼちゃ」です。

 初めて見たときには 青い海をバックにしているので モチーフは「ウニの殻」かと思いましたが(笑)
 私は この時初めて 「草間彌生」という芸術家の名前を知りました。

 もう 10年以上前の話です。

                     ↓ サイトより
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 そして 最近では、クルーズで大阪に行ったときに立ち寄った「あべのハルカス」。
 向かいのビルの外壁に 彼女の作品を見つけました。

 「かぼちゃ」ではありませんが パッと見ただけで彼女の作品であることがわかります。
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 だって  
 水玉 と言えば 草間彌生
 派手なオカッパ と言えば 草間彌生
 斑点のかぼちゃ と言えば 草間彌生

 かの有名なルイヴィトンとコラボして バッグや靴も出し
 世界的に人気がある87歳の芸術家 草間彌生なんですもの。
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 今や 時の人である彼女の展覧会が 新国立美術館で開催中。

 どんな作品に出会えるのかとても楽しみで ワクワク そわそわ。
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 狙い目の 連休明けの平日の午前中だったはずなのに 入口には すでに長蛇の列。
 しかも 驚くことに 来場者に 外国人がとても多いのです。

 チケット売り場のすぐ横に、出たーーー
 大きな かぼちゃ、、、

 アハハ、 高さが4.5mもある ほぼ球体状の作品を さすがに館内に入れることはできないでしょう(笑)。
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 館内は 当然の事として撮影不可でしたが、1室だけは 撮影可なのです。
 ところが 撮影できるのは「携帯電話のみ」で カメラでの撮影は不可なんです。

 ??????????

 ということで スマホを取り出して 写しました。

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 でも 「前衛の女王」として 本場アメリカの第一線で活躍してきた彼女の実力は 
 これらの作品では 伝えられないのです。 

 写すことができなかった他の部屋に あまりに感動して動けなくなったすばらしい作品があるのです。

 その部屋は 閉じられた空間全体が ひとつのアートになっていて 
 来場者が その空間の中の 迷路のように決められたルートを歩くのです。
 そして空間の中には 無数の点灯する豆電球があり、それらが上下左右の鏡に映ると、
 迷路を歩いている自分が 光に囲まれるのです。
 しかも 次の瞬間に 急に真っ暗になり自分の存在が消える、、そして、、、

 うまく言葉で表現できませんが 驚きと感動が巧妙に計算しつくされた 非現実的な空間なのです。

 最初にみたときの印象と 数分後の印象が変わる、、、
 前衛的な作品は苦手とする私が 彼女の作品に魅かれる理由はそこにあります。
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 植栽にも 水玉模様の布が巻かれています。

 最初は 赤い布が巻かれているだけなので どうってことないように思うのですが
 みているうちに 周囲の新緑に この赤がすごくきれいに映え お互いに引き立てあっていることに気づきます。

 そして 普通の樹木の幹をみると なんとなく物足りないイメージになってくるのです。
 
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 すっかり 草間彌生の魔法にかけられたジージとバーバは
 家に帰って koharuがメモ帳の裏に画いた絵を見つけ 「才能があるかも、、」と大さわぎ。(笑)
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by saint-arrow-mam | 2017-05-10 09:41 |   美術・スケッチ | Comments(6)
Commented by よし坊 at 2017-05-10 10:08 x
作品の素晴らしさは当然ですが、それを文章で表す豊かな表現力のshinmama様のボキャブラリーの多さと才能に圧倒されました。
日本の鉄道料金は高いので彼女からすればこの位と思ったのかも知れませんね。でも、素晴らしい架け橋になりましたね。
Commented by うつきよう at 2017-05-10 16:37 x
 草間彌生さんは長野県松本市のお生まれで、
 若い頃を松本で暮らしていらしたので、
 長野県の人間としては嬉しい存在です。
 長野県人は理屈っぽいと言われるように、
 その道の人には良く知られていても、
 一般の人には馴染みの薄い、地味な学者肌の人が多い中で、
 草間彌生さんは稀有な存在です。
 初めてかぼちゃを見たときは一瞬グロテスクでびっくりしましたが、
 見れば見るほど見ていられるように思えてきました。
 彼女の作品はすぐにわかりますものね。
 鞆の浦のお宿にさりげなく飾られていた1枚にも彼女のサインがありました。
Commented by okadatoshi at 2017-05-10 16:43
見る方に対しどれだけインパクトを与えるかで”マイ芸術”が生成されます。
前衛作家ですが抽象作家ではないですね。
数日前の報道ステーションに出演し、平和について語っていました。
ネットでは内容紹介は見つかりませんでした。(下記ぐらい)
https://goo.gl/SOmtbq

本物が持ってるオーラを感じられた美術展のようですね。
blogで画像を追って、最後の花は、草間氏の素描と思いました。
Commented by shinmama at 2017-05-10 19:56 x
よし坊様

お褒め戴きましたので、ただいま、あれよあれよと木に登り始めました。(笑)

リケジョゆえ 箇条書きにするのは 比較的得意なのですが 
文章にするのは苦手なので 毎回、ブログは苦労しております。

不安そうな外国人(といっても隣国ではない)を見かけると 
自分が海外で助けられたことと重なり 見ないふりができないのですが
これも ある種の海外旅行のトラウマだろうと 自分では感じています。
Commented by shinmama at 2017-05-10 20:07 x
うつきよう様

展示されている案内文によると 
草間氏のご実家が 松本で野菜を扱う仕事をされていたので
小さい時から かぼちゃを見ては「かわいい」と感じていたとか、、、。

難病を抱えていながら ずっと創作活動を続けている彼女のバイタリティーは
長野県で育ったことに その発端があるのかもしれませんね。

前衛的な絵をかく人が 子供の頃は写実的な絵を描いていたりするので
彼女の子供の頃の絵が どのようなものであったか 見て見たい気がします。
Commented by shinmama at 2017-05-10 20:23 x
okadatoshi様

草間氏は 年齢は80歳を越えていらっしゃいますが
今の時代に生きる芸術家の中では 卓越した勢い、みなぎるパワー、溢れるオーラを 
ぞくぞくするほど その作品から感じさせる方だと思います。
日本画でも洋画でも 若いころの作品に比べると 晩年は大人しい作品が多くなるものですが、
彼女には それはないような気がします。
うーーーむ、報道ステーションを見逃してしまい 悔しく思います。

Shinがkoharuくらいの時に 「ピカソ展」に連れて行ったのが 彼の美術館デビューでした。
その時 Shinが1枚1枚を真剣なまなざしで見て 「きれい!!」と感動していた姿を忘れられません。
今回、koharuを 草間氏の美術展に連れて行ってやりたかったのですが
連休の美術館の混雑ぶりは 容易に想像がつきましたので あきらめました。
東京の美術展の宿命とはいえ、残念です。


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