オカリナは マイナーな楽器なので コンサートは小さな会場で開催されることが多いのですが、
今回は
すみだトリフォニーホールで しかも
大ホールで開催されるというので チケットを 早くから手配していました。
でも 全席自由席ですから、当日 とりあえず”席がある”というだけのチケットです。
メインのオカリーナの善久(ぜんきゅう)氏が 今年の5月にNYカーネギーホールで演奏会を開催し、
それを成功させた 凱旋コンサートという位置づけの 珍しいオカリナだけのコンサートです。
善久氏は 東京音楽大学を卒業。
オカリナだけでなく テューバと雅楽の笙の奏者としても活躍し、作曲、編曲も手掛けています。
彼は オカリナに独自の教授法を持っており、関東地方を中心に400人を超える生徒がいます。
その門下生たち185名による合奏は オカリナらしからぬ華やかさがありましたし、
カーネギーホールで演奏された 選ばれし30名程度の方々の演奏は とても安定していました。
ただ、演奏するのがプロのオカリーナではなく あくまでも生徒さんたちである上に、
楽器の性質上、音程が合わせにくいオカリナの事ですから、
音が同調して びーんと響くことはあまりなく、全体としてメロディーになっているという感じでした。
一方、善久氏のソロ演奏はさすがに 素晴らしく 憧れます。
ただ、偉そうに 愚見を書かせていただくと
管楽器をずっと吹き続けていると 楽器の中にだんだん水分がたまり、微妙にかすれた不安定な音色になってしまいます。
その水分を抜くために トランペットやトロンボーンなどには 楽器そのものに「唾抜き」があるのですが、オカリナにはありません。
通常、これだけ多くの曲数を 1人で続けて吹くことは無いと思いますし、
大きなホールでマイクを通して音を響かせることがなければ それほど気にならないと思うのですが、
いくら善久氏といえど オカリナ1本では 後半の演奏の音色がかすれ、厳しい気がしました。