日本とロシアの国境 予習編

  <このブログは、クルーズが始まる前に下調べをしていた時に作り 予約投稿しています。>

 初めてのロシアへ入国、しかも 北方四島を抜けて 樺太へ、、となると
 歴史や政治に疎い私なりに 北海道より「北」の現状が知りたくて
 この機会に ほんのちょこっとだけですが、本を読んだりネットで調べたりしました。

 今日は あえてこの国旗に、、、、
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 乗船前に 先日ブログにアップした「ロシア・ロマノフ王朝の大地」を読んだところ
 ヨーロッパ側から見た歴史と 結びつくところが多くあり、面白かったのですが、
 驚いたのは 考えていたよりも ロシアという国は歴史が浅い ことで
 ロシア帝国をその起源とすると 日本の戦国時代の末期に
 北のツンドラ地帯にできた小国が、侵略を繰り返すことで ヨーロッパやアジアに急速に領土を広げ、
 それまで長い間続いていたヨーロッパの地図を 大きく塗り替えてしまったのです。
 
 ロシアの東に位置する日本との国境も 1855年以降、時々の条約により 3回も動いています。
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 ただ、いくら国境を定めても 相手は侵略を重ねて短期間に国土を広げてきた 百戦錬磨の大国なのですから 
 必要とあれば 北方領土を不法占拠(日本の主張)することは どうってことないので、
 日本が「北方領土は日本の物であり、日本とロシアの間の国境は決まっていない」と主張しても
 「わかりました」と言って撤退することは ほぼほぼ ないような、、、、、。

 現実は 下記のように とりあえずの国境を北方領土と北海道の中間線とし
 日本の船は この線よりもロシア側で魚を取ること や 入ることが禁止され
 ロシアに捕まると ロシアの法律で罰せられてしまうのです。 *1 

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 一方で 日本の学校では 北方四島は日本の海域であると書かれた 海域地図を使用していますが、
 現実との矛盾を どう教えているのでしょうか?

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 では、海外の国々は 日本の北方領土問題について どう見ているのかと思えば、、

 以下『ブリタニカ百科事典』より抜粋
The Kurils were originally settled by the Russians, following their exploration in the 17th and 18th centuries. In 1855, however, Japan seized a group of the southern islands and in 1875 took possession of the entire chain. In 1945, as part of the Yalta agreements, the islands were ceded to the Soviet Union, and the Japanese population was repatriated and replaced by Soviets. Japan still claims historical rights to the southernmost islands and hastried repeatedly to persuade the Soviet Union and, from 1991 , Russia to return the islands to Japanese sovereignty.

千島には最初にロシア人が住み着いた。これは17、18世紀の探検に引き続いて行われた。しかし、1855年、日本は南千島を奪取し、1875年には全千島列島を領有した。1945年、ヤルタ協定に基いて、島々はソ連(当時)に割譲された。日本人は引き揚げ、替わってソ連人が移住した。日本は、今でも、南部諸島に対する歴史的権利を主張し、島々に対する日本の主権を回復するように、ソ連(ロシア)を、繰り返し説得している
 
 という扱いで 日本の主張とは 少し違う気がします。
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 実は 国後島と北海道の間の「根室海峡」は、水深が極めて浅く、
 クルーズ船だけでなく、ほとんどの外航船は ここを通ることができませんので
 太平洋から 最短でオホーツク海に出て 知床半島や網走に抜けるならば、
 国後島と択捉島の間の「国後水道」を通過することになります。

 ところが 実際に『飛鳥』や『日本丸』のような日本船が「国後水道」を通過しようとすると、
 現在の状態では *1の理由から、ロシアの警備当局と交信する必要が出てきます。
 
 一方で この行為は 日本が「ロシアの実効支配」を認めることにつながる*2ので、
 日本政府は、日本船がこの航路を通過することは 自粛するよう求めていて
 北方領土問題が生じて以降、『飛鳥』も『日本丸』も 自国の領海でありながら「国後水道」を通過していません。
 もし 日本船が北海道を一周する場合 や 太平洋とオホーツク海を移動する場合には
 北方領土の外、択捉島とウルップ島の間の「択捉海峡」を通ることになります。
 
 このような制約なく「国後水道」を通ることができる 外国船に比べると、
 遠回りをする日本船は クルーズの日数が増え、その分クルーズ代金が高くなりますので
 日本のクルーズ船には 北海道周遊というコースは ほとんどなく
 この航路に関しては ダイアモンドプリンセスをはじめとする外国籍のクルーズ船の独断場となっています。

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 ところが ここ数年のクルーズブームに際して、
 国土交通省が 船会社Princess Cruseのロサンゼルス本社に対して
 日本船と同様に「国後水道」を通航しないように という政府の見解を 伝えていたそうです。

 それは ダイアモンド・プリンセス号の日本発着クルーズについては、
 たとえ 外国籍の客船であっても 毎回、多数の日本人が乗船しているため
 外務省が *2の理由から日本人がこの海域を航行することは避けるように と指導していることをうけて
 国土交通省が 措置をとったということのようです。

 このニュースが事実だとすれば、遅まきながらPrincess Cruseが日本の要請に応じて
 今期のダイアモンド・プリンセス号を 
 「国後水道」ではなく 遠い「択捉海峡」をまわる航路に 変更したのではないかと思われます。
 ㊟ 船会社から 乗船前に変更に関する説明があったわけではなく、募集時に すでにコースが変更されていました 
 
 これにより、今まで「釧路」に 夕方まで滞在できていたのが 
「午後2時に出港」というタイトなスケジュールになってしまったのでしょうが
 私は 日本人の端くれとして 筋道を通した結果ですから、それでいいと思っています。
 、、、、たかがクルーズ船に乗るのに そこまで考える必要はないのでしょうが、、、、
 
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 釧路を出港し、外洋に出て北上し、そして北方領土の島影が見えたら、
 きっと私は 瀬戸内海の島々や沖縄の島々を見る時とは 全く違う感情を持つことでしょう。

 そして日本の領海であるはずの「国後水道」を 日本の船が西に東に
 堂々と航海できる日が 1日も早く来ることを祈りたいと思っています。
 

by saint-arrow-mam | 2017-09-08 00:01 |   北海道周遊・サハリンクルーズ | Trackback | Comments(8)
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Commented by okadatoshi at 2017-09-08 06:59
今朝の朝刊のトップ記事は、安倍首相とプーチン氏との日ロ会談です。
北朝鮮制裁の温度差がありますね。
漁夫の利を狙うプーチンは強かです。
独裁政権の方が国がまとまる悪しき例です。

プーチンと太いパイプがあるとする安倍さんですが、北方領土返還への道筋は
ロシアペースで巻き込まれている感じです。
外交は、自国ファーストそのもので、武器を使用しない戦争ですから
自国民の十分な理解がないと勝てません。

民進党は、スタートからこけまくって、忖度問題も鮮度を失って
再び安倍さんが蘇っているように見えます。
3S問題から離れて、「ロシア領」から見た日本との関係をどのように感じられるでしょう。

いつもながら、十分な予習をされており、復習が楽しみです。
Commented by TanMatsui at 2017-09-08 08:06
 この日の記事は予約投稿と書いて、ご多忙のクルーズ旅行にお出かけになっているので、長文コメントは慎みます。

  これまで 相当数のサハリン在住のアマチュア無線局 (UA0) と交信し、ここに書かれた内容は、
かなり承知しています。 いずれ、ブログに記載することもありましょう。
Commented by よし坊 at 2017-09-08 19:39 x
成るほど、そんな事が有るんですか。航路など考えた事もなかったし日本船と外国船の違いも解りました。「知るは楽しみなり」です。
明日9日、ミサイルが発射されるかも知れませんがソ連とあの国は仲が良いようですからまさか頭上は飛ばないでしょう。
Commented by きぬえ at 2017-09-09 09:19 x
shinmamaさん、流石です!、
クルーズの前に、こんなに予習なさっていらっしゃるとは、、、
ただ、食べるものや、行楽地のことしか考えていないわたしは、、、恥じ入るばかりです、、、
Commented by shinmama at 2017-09-13 14:30 x
okadatoshi様

ロシアの観光は初めてでしたので 自分なりに調べることにしたのですが、
歴史や社会情勢に疎いものですから 情報を納得するようにまとめるまでに結構時間がかかりました。

ただ、まとめる過程において あれこれ調べたりしているうちに
自分が 北方領土問題に無関心でいたかということを恥じましたし
自国のことなのに 知らない、知ろうとしない、というところに 
相手の国が付け込んでくる隙間があるような気がして 大いに反省しました。

実際に見て、、の気持ちを 上手にまとめられればいいのですが、、、。
Commented by shinmama at 2017-09-13 14:34 x
Hiro様

北海道からほんの目と鼻の先、無線でも容易に繋がる距離なのに
実際には 遠い存在なのですね。

地図で見るより はるかに近い、、と感じました。
Commented by shinmama at 2017-09-13 14:36 x
よし坊様

私の旅もスタイルは いつもこんな調子ですので 行く前に疲れます。(笑)

行って見て 帰ってからもう一度まとめて、、、それでも記憶が薄れていく自分が悲しいです。
Commented by shinmama at 2017-09-13 14:40 x
きぬえ様

いつもこんな感じの旅になりますが、Shinpapaは 全く真逆の性格なので
私が添乗員をさせてもらってます。

観光のルートだけでも 雨の場合、晴れの場合、なども考えて調べて行くので
毎回、持って行く資料は山のようになります。
それって、修学旅行状態?で、大人の旅ではないような気もして
後悔することが多々あります。


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