『北斎とジャポニスム』


 ジャポニ【ズ】 ではなく ジャポニ【ス】 ???? それってなんだろうと、、、と 興味を持ち、
 私にしては 珍しいことに 美術展に行く前に ちょっとだけ予習をしました。

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 ブリタニカ国際大百科事典によると 「ジャポニスム」とは
19世紀後半に日本美術の影響を受けてヨーロッパ,アメリカ合衆国で盛んになった美術の傾向。絵画,版画,彫刻,工芸,建築,写真など,美術のあらゆる分野にわたり,1856年頃から 1910年代にかけて,フランスを中心に広く各国に見ることができる。ルネサンス以来の伝統的美術表現が,近代的感覚に適合しなくなってきたため,これを打破し新しい芸術を生み出そうとしていた芸術家たちが,開国によって知った日本の美術の斬新で高い質に衝撃を受け,そこから多くを学んで生まれた傾向である。

 そして 国立西洋美術館で開催中の『北斎とジャポニスム展』のHPによると
19世紀後半、日本の美術は 西洋の人々を魅了し、”ジャポニスム”という現象が生まれました。中でも注目された存在が、天災浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。その影響は、印象派の画家をはじめとして欧米の全域にわたり、また絵画だけでなく彫刻や装飾工芸などあらゆる分野に及びました。北斎は、西洋美術の近代の扉を開ける原動力となったのです。
本展は、西洋近代芸術の展開を”北斎とジャポニスム”という観点から編み直す、世界初の展覧会です。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ 西洋芸術の名作220点と北斎の錦絵約40点、版本約70冊の計約110点による”東西・夢の競演”です。

 フムフム、、、
 北斎の作品と モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガン などの名作を並べてみる機会なんて初めてです。

 ただ、お江戸の場合、混雑するので せっかくの美術展を遠くから ちらっとしか見ることができないのが問題。
 
 そこで ゆっくりと比べてみるために 目指すは 朝一番。
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 9時30分開館なので、9時過ぎに行ったのですが すでに行列ができていました。
 でも 前から50番目くらいですから、ラッキー。
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 中に入ってからは、最初のグループが見ている展示を抜かして、少し先から見ることにしました。

 その結果 誰もいない部屋で、北斎の版本や錦絵を 驚くほど間近でじっくりとみることができ、
 セザンヌやモネ、特にガレの花瓶のデザインを 右から左から覗き込んで見ることができたので、
 両者の類似点をしっかりと確認し とても勉強になりました。
            パンフレット    ↓
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 作品数も多く、充実していたので、ジャポニスムということを離れても
 充分に楽しむことができる完成度の高い展覧会になっています。

 個人的には 大好きなギュスターヴ・クールベの作品を見ることができて 嬉しかったですし
 普段あまり目に触れることのない、ガレやティファニーの作品を みることができたことも 大きな収穫でした。

 「富嶽三十六景」の影響を受けて描いたアンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」を じっくりと見比べて
 その類似点を知ることができたのは、早起きをして 美術館の開館前に並んだ ”ご褒美”だと思います。
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 興奮が冷めない老夫婦は いつも満席で入ることができない 喫茶室へ。
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 貸切りの店内で あれが、それが、、と 今、見たばかりの絵について
 思う限りの話をしながらのコーヒータイムは  至福の時間でした。
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by saint-arrow-mam | 2018-01-20 19:15 |   美術・スケッチ | Comments(3)
Commented by okadatoshi at 2018-01-20 21:00
9時半に行ってこの行列ですか。
展示会も後半ですし土曜日の影響でしょうか。
入ったらダッシュして出口から見るのですか。
( ..)φメモメモ

日本の浮世絵がヨーロッパ絵画に強い影響を与えた言われますが2つ並べての展示と言うのは、着眼点の良い企画ですね。
怖い絵展もそうでしたが、教科書的な配置ではなく、斬新なテーマのある企画展の方が人気になりますね。

必ずお料理かスイートのレポートがあるのに笑いました。
Commented by shinmama at 2018-01-20 21:20 x
okadatoshi様

はい、9時半の開館より早く行ってこの行列です。
混雑具合を教えてくれるサイトもあるので 夕方に見たら、まだ入場待ち20分と表示されていました。
28日までの会期なので 混みあったのかもしれません。

今日は 早い時間に入ったので、人の多い最初の部屋だけ飛ばして 次の部屋から見始めました。
みんなが団子になって追っかけてくるはずなのですが、1部屋違うと かなり自由に見ることができました。
でも 最後まで見終って、最初の部屋に戻ったら、壁も見えないほどの人の数でした。(笑)

名画を見た後 その美術館のレストランや喫茶店で 余韻を楽しみたいので、必ず覗くのですが、
東京の場合、たいてい満席で かといって並んで待つ気にはならず あきらめることが多いです。
今日は ゆっくりとケーキを食べ、珈琲を飲むことができ 幸せ気分でした。
Commented by desire_san at 2018-01-23 23:05
こんにちは。
私も「北斎とジャポニスム」展を見ましたので、楽しくブログを拝見しました。ドガの踊り子の絵画、ロートレックのポスターが『北斎漫画』のに描かれている人物の形やしぐさを作品に活用していることは、初めて知りました。モネや・ピサロの風景画や、セザンヌ『サント=ヴィクトワール山』が北斎の影響を初めて知りました。西洋の名作と北斎の作品を並べて展示することで、北斎の影響は、印象派の画家等への影響が分りやすく展示されていたのは良かったとおもいました。

私も「北斎とジャポニスム派」を見て、北斎の浮世絵の関係について考えさせられ。考察してみました。また、北斎は西洋で格段に評価が高いのは、広重など他の浮世絵師とどこが違うのか? その比類なき凄い才能と魅力を追求してみました。ざっとでも読んでいただけると嬉しいです。ご感想・ご意見などをブログにコメントいただけると大変感謝します。




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