北米クルーズ 20日間の旅  その6  (ポートランド)

 寄港地に入港したからといって 必ず下船する必要はありません。 
 船内のイベントは通常通りにありますし、食事も朝6時から夜24時まで いつでも船内でとることができます。

 クルージングについて 第4回は 「エクスカーション」 についてまとめます。

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これは 寄港地でのオプショナルツアーのことです。 
寄港地での過ごし方にはいくつかあります。
① 下船せず船内で過ごす。
② 自分で観光する。
③ 現地のツアー会社に個人手配で申し込む。
④ 日本語ツアーに参加する。(日本出発前に申し込み)
⑤ 添乗員さんが同行するツアーに参加する。(主として2,3時間の市内観光ツアー)
⑥ クルーズ船が主催するツアーに参加する。(申し込みも含め すべて英語)


④は割高ですが 日本人専用のバスが用意されて ガイドも日本語で説明されるので安心です。
ただ 各寄港地に1つのツアーしかなく好き嫌いが言えないこと と 「抜港*」になっても返金されないことが問題です。
⑤は、クルーズ船が主催する英語ツアーのうちの一つを 添乗員さんと一緒に参加して通訳してもらうツアーで、クルージング開始時に 添乗員さんに全て申し込みます。 
⑥は、各寄港地ごとに10個以上のプランがありますが すべて英語で実施されます。

海外の方がツアーに参加される場合は 当然⑥になるので、人気のエクスカーションは予約が取れないことがあると聞きました。 それで日本出発前に 個人的に船のサイトから いくつかのツアーの申し込みをしました。⑥は「抜港*」になった場合は 全額返金されます。
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 「抜港*」とは、天候その他やむ負えない理由で寄港できないことです。 信じられないことに 今回は2か所も抜港となりました。

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ポートランドに入港する前に どうしても写しておきたい写真があります。

下調べの時に ポートランドの最大の観光名所の「ポートランド・ヘッドライト灯台」が 船から見えるのではないかと思ったのです。
自信がないので Missionとまでは思いませんでしたが、、、、、。

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日本で 大きな地図を買い求め、今回の入港先に印をつけ、船室の壁に貼っています。

船長からの船内放送で、現在の緯度経度が発表になり船の位置がわかるので、見える島の名前などもわかります。

そして、何より 自分がどこにいるかも知ろうとしない つれあいが 少しでも興味を持ってくれればいいなあ、、という思いからです。
 (この作戦は 成功しましたよ)




ポートランドで入港する予定の埠頭の位置から、ルートを考えると、赤いラインのようになります。
すると、左舷に「ヘッドライト灯台」が見え、右舷にホグ島の「シタデル」が見えるはずなのです。

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「船内新聞」によると入港予定時間は7:00。 1時間前からスタンバイします。
まだ、暗い、暗すぎる。  見ることはできたとしても 距離が離れていたら写せないかもしれない。

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 6:12 前方。左舷に灯台 発見。 やったーーー。 まだ暗いけれど 見える見える。

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 しばらくすると、今度は右舷に シタデル発見。

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 カメ友のおじさんを探しましたが 今日は誰もいません。 ウーーーン残念。 おじさんとハイタッチしたかったなあ。

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 ポートランドでは 9時間のエクスカーションに参加します。
 「マウントワシントン・コグ・レイルウェイ」で アメリカ東北部で一番高い山 「ワシントン山」 に登るのです。

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 8:00 シーパスを通して 下船。 今日のタラップは屋根がない簡素なものです。

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 8:45 バスに乗って 「ホワイトマウンテンズ ナショナルフォレスト」へ。 ツアーバスは50人の定員いっぱいで、日本人は私たち二人だけです。

78万エーカーもの広さを誇るナショナルフォレストは ニューハンプシャー州 随一の景勝地ですが、公共の交通機関がなく、港からも遠いので、レンタカーあるいはエクスカーション以外で 訪れることは不可能です。

このエクスカーションの予約が 一番とりにくいと思ったのですが、日本でインターネットでの手配が叶わず(すでに満席)、乗船してすぐに再度申し込むと、運よくキャンセルが出たのです。

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片道2時間半のバスでの移動。 

日本なら途中で必ずあるトイレ休憩。
ガイドさん: トイレどうする? ドライブインに停まろうか?
乗客   : (大勢の人が片手をあげて)「Keep Going!! Keep Going!!」

強制的なトイレ休憩より これはいいです。 バスにはトイレがついているので、いざとなれば利用すればよいのですから、、、。

バスが山に入るにつれて 黄葉、紅葉がわずかに見え始め、心がワクワクします。

でもこの山の山頂は天候が変わりやすいことで有名です。
ガイドさん: 何も見えない確率は60%。 きっと今日は99%何も見えないね。 山頂に行けば私が正しかったことを証明するよ。
乗客   : (みんなでブーイング) !!!

 
日本では信じられない発言。 悪びれる様子もなくジョークにしてしまうところがすごい。 

ガイドさん: お昼のランチはホットドッグ。 「サラミハム」 と 「ターキー」が選べるんだけど どちらがいいか 聞くので手を上げて。
乗客A  : 面倒だから みんな「ターキー」にしようぜ。 ケンカにならなくていいよ。
乗客   : (大勢の人が片手をあげて) G----ood  
ガイドさん: 神よ。たくさんの「ターキー」がこの世を去ります。アーメン。
乗客   : アーメン。 (大爆笑)

乗客B  : 私はベジタリアンなんですが、、。
乗客C  : それはラッキーだ。 「ターキー」を抜き取ればいいよ。 どうせ そんなに美味しい肉じゃないから


バスの中は 和気藹々。 合理的でわかりやすい国だなあ。

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山麓駅に着いたときに ちょうど蒸気機関車がもくもくと黒い煙を吐いて 降りてきました。

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いよいよ スイスに先駆けて世界で初めて誕生した「コグ式登山列車」に乗ります。  3種類の車両がありますが、赤いA列車に乗りました。

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ワシントン山山頂を目指す 登山列車マウントワシントン・コグ・レイルウェイはアメリカ第1位の急勾配を登るため、2本のレールのあいだにぎざぎざの歯軌条を敷設し、滑り落ちないように工夫されています。

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車内で食べるお昼に 「ターキー」のホットドッグとポテトチップス、クッキーとキャンディーの入ったランチボックスが配られます。
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ガタガタ、ガタガタ、歩みは至極ゆっくりなのに、揺れる揺れる。  しかも木枠の窓の景色が斜めに見えるほどの急勾配です。  ガイドさんのジョークを聞きながら食べ、そしてカメラを構える 片道30分の忙しいこと。

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中腹あたりからはハイマツ林となり、

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その先の山腹を回る軌道へさしかかると樹木のはえないガレ場が広がります。

線路を支えている枕木の土台の不安定なこと、 周りに投げたままになっている枕木も多く見られ、事故にならない方がおかしい気がします。(笑)
「下手なジェットコースターより スリルがあるなあ」 と つれあい。

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ほどなく山頂駅に到着します。 客車を降りた瞬間、強風と寒気で体が固まります。
温度計を見ると9℃です。 1934年に記録した風速231マイルは世界最大風速というのもうなづけます。

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まずは山頂(1917m)に ちょっとだけ徒歩で登ります。

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ガイドさんの予想が外れ 好天に恵まれ、山々が良く見えます。 (パノラマ加工)

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列車が麓に戻って行きます。 動画で。
画像の上でクリックしていただくと 画像が動き始めます。

   


山頂のギフトショップで「山バッジ」を購入し、レストランでポートランド名物の「クラムチャウダー」をいただきます。
容器になっている パンをちぎりながら食べるクラムチャウダーは温かくて絶品でした。

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1時間ほど山頂にとどまり、再度登ってきた同じ客車に乗って 同じメンバーで下山します。
寒風の窓を 開けて 身を乗り出し 飽くなき撮影に取り組みます。

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帰るときには山頂に急に霧がかかり、何も見えない谷川岳状態でしたが、山麓駅付近は黄葉が映える晴天でした。
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こんな不便な山奥にもかかわらず、観光客は山頂にも山麓にも溢れていましたが 日本人の姿はなく、海外旅行をしているムードに浸りました。
そしてこの旅行で黄葉を見たのは初めてでしたので、なんだか ほっとしました。

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17:00 最終帰船。 私たちが最後の乗船者のようでした。
船が主催するエクスーションの場合、もし出港に間に合わなかくても 船は絶対に待ってくれるそうです。

18:00 夕食。 今日も 担当ウェイターさんお勧めのメニューで。
つれあいは、常に悩んでメニューを決めています。 食へのこだわりを捨てていない。 エライ!!!

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今宵も夜遅くまで ピアノバーで ウツラウツラしながら カクテルをいただきました。

寝ている間に シップは バーハーバーへ移動します。

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by saint-arrow-mam | 2011-09-29 00:00 |   北米クルーズ | Comments(6)
Commented by よし坊 at 2011-10-17 08:42 x
外人のジョークは独特で面白いですよね。日本で同じ事をすれば怒ってしまう人も出るかも知れない。
登山と聞いたので歩いて登るのかと思いました。

実はこの鉄道、撮り鉄憧れなんですよ。
迫力のある写真が撮れましたね。
うらやましいです、、、、
Commented by shinmama at 2011-10-17 09:36 x
よし坊様
 日本人ならひどいガイドだと言って問題になるだろうと 思いました。

 この感性の違いも旅行の魅力ですね。

 この山にハイカーもいましたが、時間的にも難しかったので、あきらめました。
 私が 歩いたのはカナダなんです。 (後半のブログでアップします)

 この鉄道は なかなか味わいがあるというか、危険というか、、(笑)
 マニアの方が写される理由はわかるような気がします。

 この日だけでかなりの枚数を写し、アップしたのはほんの僅か。 大切にデータをとっておきます。
 教えていただきありがとうございました。
Commented by okadatoshi at 2011-10-17 16:26
確かにこの鉄道撮りたいですね。
蒸気機関で現役でしょうか。

ところで動画をクリックすると私のパソコンでは
「この動画は非公開です。」
と出ます。
私はおこちゃまなんだろうか?
こういう時にアメリカ人ならどういうジョークをいうのでしょう。

ディナーはビアが進みそうですね。
毎朝のトレーニングルームが混んでくるのがわかります。
Commented by shinmama at 2011-10-17 17:55 x
okadatoshi様
 ありがとうございました。
 アホでした。 非公開に設定しておりました。

 「非公開でラッキーだったんじゃない? どうせ たいした動画じゃないから、、」というギャグかも。(笑)

 蒸気機関車は現役なのですが、この30分の行程の途中で蒸気の元となる水がなくなってしまうので、給水所があります。
 また、一度に急坂を上がれないので、スイッチバック方式で上がるようになっています。
 もちろんポイントの切り替えは手動で、車掌さんが降りて操作します。(笑)

 他の2車両はディーゼルなので、景気よくあがります。

 体重管理は もっとも頭を悩ますことでした。
 今日スポーツジムで汗を流した後に体重を量って、やっと元に戻りました。
 夕食を食べたら、終わりやん。  
Commented by パンジー at 2011-10-20 10:00 x
お天気に恵まれ、LUCKYでしたね。
日ごろの行いか、人徳のなせる技、はたまたshinmamaさんの鬼気迫る思いなのか… 
いづれにせよ、(*^^)v ですよね。
英語ツアー参加すると、途端に外国に来てるゥ~って思えますよね。
私の場合、英語堪能な友と一緒だったので不便ありませんでしたが、
主人とだったらちんぷんかんぷんで、何していいやら…(?_?)
やはり語学大事と、痛感させられました。
「いいなぁ~」と言ってないで、「私も…」と頑張ります。
旅も英語も…  
Commented by shinmama at 2011-10-20 17:06 x
パンジー様
コメントをありがとうございました。
まだ東京へ向かう新幹線の中にいます。
バスの中での和気あいあいのジョークで笑えないツレアイが「50人のバスの中で英語が分からないのは俺一人か、、、」と嘆いておりました。私も少しでも流暢に会話できるように、頑張って勉強しようといつも思います。


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