1年に1回企画される 広島護国神社の奉賛会主催の講演会に行きました。 無料で一般公開されていたので Rホテルの講演会場は いっぱいです。
今年の講師は 一色正春氏でした。 彼は昨年「sengoku38」という名前で Youtubeにビデオを投稿し一躍有名になった 元 海上保安官です。 演題は 「尖閣諸島防衛 と 日本人の覚悟」。 演題を見て 「これは あかん。 私のキャパを完全に越えてる」と思ったのですが、年配の男性諸氏に混ざって 神妙な面持ちで聞いておりました。 昨年9月7日 尖閣諸島の領海内で中国漁船と 海上保安庁の巡視船が衝突したことから、思わぬ方向に 国際問題が広がった。 <<< 一般的に領土から12海里を「領海」といい、この海域で日本の国籍を有しない人間は漁をすることはできないのはもちろんのこと 外国船舶は日本の法律の順守が必要になる。 その12海里外を「接続海域」といい、この水域では密航や伝染病などの調査をし防止する権利が日本にある。 さらに200海里外を「排他的経済水域」といい 日本はこの海域まで天然資源や漁業をする権利が与えられている。 >>> 今回、衝突した中国漁船が操業していたのは 「領海」。 日本の権利が最も及ぶ水域である。 ところがこの水域では 長年にわたって日常的に中国漁船が漁をしており、それを日本は黙認し続けた。 この水域で日本漁船が はえ縄漁をしようとすると 中国漁船に 高価な「はえ縄」を切られてしまうので、皆、敬遠しているのである。 <<< はえ縄漁は 幹縄(みきなわ)に 釣り針をつけた多くの枝縄を結びエサをつけて漁をする方法。 幹縄は通常10kmもあるため 非常に高価な漁具である。 >>> 9月7日、日本の海上保安庁の巡視艇と中国漁船が衝突した時、この領海内で 30隻もの中国漁船が操業し、すぐ横の接続水域では150隻の漁船が操業し、それをわずか4隻の巡視艇で取り締まっている状態だった。 他国であれば重大な国際問題になる領海侵犯および無断で漁をすることに対して 日本はなにもしないと甘く見られ、中国漁船は わざと巡視艇に船をぶつけるという 実力行使に出た。 穏便に済まそうとしていた巡視艇(海上保安庁)も さすがに見過すわけにもいかず、「領海侵犯」ではなく「公務執行妨害」で乗組員全員を逮捕した。 どのような措置をするかということを 現場がいかに悩んだかということは 逮捕までに相当長い時間がかかっていることでも明白である。 そして なにも解決しないまま 13日に船と乗組員を早々と中国に返し、24日には船長も釈放してしまった。 すると あろうことか中国は 「不当に逮捕された」「船を修理しろ」「保障しろ」と信じられないことを言い始め、 レイアースの輸出制限など経済的な圧力もかけてきた。 ところが 中国との関係に配慮したのか 何も日本は反論しなかった。 そうなれば 当然の事、世界は 沈黙を続ける日本より、騒ぎ立てる中国を信じ、アメリカまでもが日本に非があると結論づけた。 理解できないのは 日本には証拠のビデオがあるのに、それを出そうとしなかったことだ。 このままではいけない、はっきりとするべきだと思い、たまたま手元にビデオがあったので 信念を持って投稿した。 画面内に 中国漁船がたくさん写っていることがビデオでわかるはずだ。 マスコミは このビデオを用いて 日本に正当性があることを何度も伝えたが、問題とすべきことはそれだけではない。 日本が日本の領海を侵犯されても ただ手をこまねいているしかない現状を国民は知るべきだし、実際、中国以外にロシアや韓国からどんどんプッシュされている。 自衛隊は法律上、「領空」は防衛庁の判断だけで行動できるが 「領海」と「領土」は 政府の決議がないと出動すらできないことになっている。 この矛盾した法律を変える気配すらないことが問題で、それを報道してもらえるのではないかと期待したが どのマスコミもそれをしなかった。 また、他国の軍隊は、00と **と ##はしてはいけない(それ以外は よい) という法律であるのに対して 日本の自衛隊は、00と **と ##はしてもよい(それ以外は いけない) という法律なので、個々のさまざまな事象に対して即時 現場で判断ができず、常に政府の判断を待つという法律になっていることを 周囲の国々は良く知っていて、甘く見られている。 中国が経済的に力をつけてきた今こそ、国防について真剣に考えなければ、もっと悲惨なことが日本に起こる可能性がある。 もちろん「軍」を作ることを推奨しているわけではないが、世界的に見て、日本はあまりに無防備で、他国に対して抑止力すら持っていない現状を知って欲しい。 << 追記 >> 今朝の新聞記事です。 長崎まで、、、。 悔しいです。
by saint-arrow-mam
| 2011-11-26 09:54
| 講演会
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Comments(6)
長文のブログが載ると、ほとんどの場合読むのが面倒になって未読になりがちですが、
一色正春氏の行動は当初から関心があり、どんな内容の講演をされるかと思っていました。 講演会開催を知っていたら、聴きたかったのでした。 判りやすくブログ解説をされているので聴きに行った気分で読ませて頂きました。 一色氏は、各地でこんな講演予定も持っておられるようです。 http://www.nipponkaigi.org/event/archives/3155 機会があったらと思います。 次の関心事は、孤立無援状態の某球団のGM氏が、将来どんな講演会をされるか! 破天荒のカープとしては対岸の火事ではありますが、聴きたい気もしています。 判りやすく纏められたブログを読ませて頂き、ありがとうございました。
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Hiro様
護国神社の講演会、しかも演題が演題なので なんとなく宗教的な匂いがして、事前にお声をおかけするのをためらいました。 次回から 情報が入りましたら お知らせするようにします。 教えていただいた美鈴が丘のレストランは 来月の中旬まで予約がとれませんでした。 人気があるようで、ますます行きたいモードになっています。
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okadatoshi at 2011-11-26 20:35
この方の講演依頼先を見ると確かに、保守思想の鮮明な
団体が招聘していますね。 私が聞く講演会でも幅広い層から多岐にわたる講師がきています。 右でも左でも関係なくなぜそういう考を講師は話すにいたったのかに興味が あります。 その方の生き方からにじみ出た共感を呼ぶような中身が 聞けたら得をしたというような気持になりますね。 おそらく講師の話す内容は、予想できます。 実直であったろう仕事を辞めざると得ない行動を決断して その結果今の生活がどうなっているのか、辞めたあとどう生きていくのか 政治的な流れの中に飲み込まれて、いつも同じパターンの このままではいけないという亡国論を言い続けるのか プロパガンダに利用され講演料でしか生活ができなくなってはいないのか。 家族はどうなのか。彼の行動のあと、どういう人が周りに来たのか。 元の職場の人間関係はどうなのか。彼の義憤の同調者がどのくらい 保安庁の中にいるのか。 しかし、そういう本音のところの話は聞けないかもしれません。 でも、ご本人の口調を聞けば、彼の発言のバックグランドがわかるようにも思います。
okadatoshi様
よどみなく淡々と話をされる様子は、感情の起伏がなく、講演会慣れをしていらっしゃる印象を受けました。 ただ、真実を知る努力をしてほしい、マスコミの言うことを鵜呑みにするのはやめましょう、と何度も繰り返しおっしゃっていたことが 耳に残っています。 トータルとして感じたのは、okadatoshi様がおっしゃるように 本音を話さず 差し障りのない話をしよう 無難に講演会をすまそう とされている気がしました。
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うつきよう
at 2011-11-26 22:20
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こと領土問題に関しては、平素、つい忘れているのですが、
ときおり心がザラつく事象が起きて、 暗い気持ちになります。 事ここに至るまでに、何か打つ手はなかったのかと・・・ 松本サリン事件のとき、第一通報者の河野義行さんを、全てのマスコミが犯人だと決めつけて報道したときのことを思い出します。 なにが真実かを見極めるのは難しいことですが、 マスコミの言うことを鵜呑みにしてはいけない、とつくづく思いました。
うつきよう様
私には 「自分は何もできない」、、、とあきらめてしまいそうになることがたくさんありますが、 中国や韓国との問題もその一つかもしれません。 せめて真実を知る努力を怠らず、自分の考えを持つことだけは忘れてはならないと思いました。 マスコミを信じてしまいやすくなるのは、母を見ていればよくわかります。 なんでも信じてますから、、、。(笑)
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