本『天地明察』

 「天地明察」が すでに映画にもなった 時代遅れの作品とも知らず  
 クルーズ中に のめり込むようにして読みました。

本『天地明察』_d0174983_139826.png
主人公の 『渋川春海』 は 本名 安井算哲(やすいさんてつ)と言い
囲碁の名家である京都の安井家に生まれ、
自身も将軍の御前で 「御城碁」が行えるだけの実力と地位を持つという人物です。

ところが 彼は幼少の頃から寝食を忘れて没頭するほど 星の観測と数学が好きな人物で、
数学・暦法、天文暦学や和漢の書、そして土御門神道といった学問を学び
自身で研究を重ねていくのです。

その過程がなんとも愉快で、
まるで数学の入門書のようであり、天文学の参考書のようでもあり、
読むにつれ 深みにはまってしまいます。


 ストーリーが展開する最初の方に 次の図形問題が ポンと投げ込まれています。

 別に回答がわからなくても 本を展開に影響はなく 読み進めることはできるのですが
 気になってしまうと どうも安心して読めないので 解いてみたくなります。

 今、釣(つり=高さ)が9寸、股(こ=底辺)が12寸の勾股弦(こうこげん=直角三角形)がある。
 その内部に、図のごとく、直径が等しい円を二つ入れる。円の直径を問う。

本『天地明察』_d0174983_13154225.png


 これを いとも簡単に回答した 関孝和 という人物が 彼に大きな影響を与えるところも
 興味深い展開になっています。

 ちなみに この問題に関して 非常に細やかに解説され、ブログにされている方がいて 驚きました。
      http://d.hatena.ne.jp/zariganitosh/20120219/tenchimeisatu_diameter

 「第7回 本屋大賞」の受賞作になったので 映画化されたのだと思いますが、
 画像(映画)を見ないことで 私なりに興味のポイントが限定できたので 良かったのかもしれません。
本『天地明察』_d0174983_1012215.gif

by saint-arrow-mam | 2015-06-04 10:15 |   映画・本 | Comments(6)
Commented by TanMatsui at 2015-06-04 16:45
非常に興味のある書物の紹介、ありがとうございました。未読書籍なので、
入手して読んでみたいと思います メモ、 メモ!

最近 臨託仕事から離れているので、 (そのせいか 嫌なジンクスが!  笑)
臨託日記を書いていませんが、上の孫が異常なほど天体に関心を持ってきて
その後 2台目の望遠鏡を求めました。 この本を読んで、孫に何かが伝えられれば
とジイジは思いました (笑)
Commented by shinmama at 2015-06-04 20:22 x
Hiro様

Adam Fawerの 「数学的にありえない」という本も読んだのですが
こちらは見かけ倒しというか 
最初だけ面白くて だんだん内容が数学から遠ざかってしまうので イマイチでした。

はい、理系の方には 主人公 春海の 誰より早く正確な解答を出したいという気持ちが
実感として わかっていただけるストーリー展開だと思います。

お孫様が天体に興味を???
嬉しいです。
私も 小学生の時にはプラネタリウムに通い詰めましたから、、、。

昨日はkoharuと2人で寝たのですが ほとんど寝られず 今日は早くから爆睡しそうです。(笑)
Commented by okadatoshi at 2015-06-05 08:07
ブラウザでchromeを使っていますが
”その本図書館にあります”を入れているんで、amazonで検索をすると、三ノ宮図書館
初め複数件で貸し出し可能と出ています。
http://www.kigurumi.asia/imake/1369/
今度三宮に出るときに借ります。

たくさんの解答があるのですね。
とりあえず、新幹線での時間の使い方の楽しみができました。
明日の新幹線乗車中の考える楽しみ用にプリントアウトしました。
Commented by shinmama at 2015-06-05 09:31 x
okadatoshi様

okadatoshi様には この問題程度ではレベルが低すぎるのではないかと思うのですが
話のタネにはなりそうな本なので ご一読くだされば幸いです。

私もこの本に出てきた お江戸の神社や 主人公に纏わる品々を見るべく
保管や展示されている施設などを調べてみようと思っています。
何せ 凝り性なものですから、、、。(笑)
Commented by よし坊 at 2015-06-05 16:23 x
この手の問題は好きだったのに今は解く気が全く湧かない。
解説したブログも覗いてきましたが読もうとする気も起きなかった。
すっかり怠け者になった自分を発見した。
Commented by shinmama at 2015-06-05 21:45 x
よし坊様

年々 ボケていく自分を実感しているのですが、
興味の方向だけは まだ変わっていないことを実感しています。
ただ 家族の者は 変人扱いするので こそっと取り組んでいますけど、、。(笑)

>怠け者、、
とんでもない。
よし坊様は もっと楽しいことを見つけて 実行されているのだと思います。


<< 運河クルーズ 管理人さんの退職 >>