本『獅子の城壁』

 佐々木譲氏は 79年に『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞受賞。
 90年に『エトロフ 発緊急電』で 日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。 
 2002年に『武揚伝』で 新田次郎文学賞を受賞。
 また、2010年には『廃墟に乞う』で 直木三十五賞を受賞した作家なのですが
 私は 「笑う警官」や「警官の血」「「制服捜査」など 彼の警察小説の方が好きです。

 ただ、「天下城」を読んだ時に 彼の書いた歴史小説が意外に面白かったのと
 主人公の職業である「石積み」「穴太衆」「石工」 ということに 興味を持ったので
 その姉妹篇のような『獅子の城塞』を読んでみることにしました。

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 (Book データより)
 
戦国日本に生まれ、ヨーロッパに難攻不落の城を築いた男の生涯を描いた大河冒険小説。

決して陥ちぬ天下城、それは築城家の見果てぬ夢。

戸波次郎左は信長の夢を叶えるため、欧州に向かった。

安土城を造った鬼才の血を引く男はイタリアで名を上げる。

やがて大国イスパーニャの圧政に抗うネーデルラント人たちに請われ、彼らを守る鉄壁を手がける。 




 小説の舞台は 日本ではなく 主人公が最新の築城術を学んだヨーロッパで、
 特に ローマのサン・ピエトロの円蓋を積み、トスカーナのリボルノの街の城壁を積む場面では
 昨年訪れたその地を 思い浮かべながら読むことができました。
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 建築史上、幕末になって やっと日本に ヨーロッパの稜堡(りょうほ)様式が持ち込まれ、
 それが 「函館五稜郭の建築」に採用されたのですが、
 もっと早く主人公が 信長や秀吉の時代に日本で築城していたら、、、
 などと想像して遊べる 愉快な本でした。
by saint-arrow-mam | 2016-06-02 08:07 |   映画・本 | Comments(2)
Commented by TanMatsui at 2016-06-02 15:59
ここで紹介された 『獅子の城塞』 は、読んだことがありませんが、載せられた説明を読んで、
すぐに 『原爆ドーム、ヤン・レツル三部作』 が頭に浮かびました。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784885370403

ご存じ 先年チェコに出かけときに見た ヴルタワ河畔の あの建物が忘れられず、
帰ってから これに目を通したのです。

この獅子の城塞は、機会があったら見たいと思います。

雲ひとつ無い快晴の広島、今日は生徒実験をさせたため、実験室で動き回り、
びっしょり汗をかきました。今宵のビールはFB、 交流戦の結果次第では なお VY FB!
Commented by shinmama at 2016-06-02 16:56 x
Hiro様

ヨーロッパの城は日本の城に比べると堅固なので、
戦国時代に日本から築城の勉強に行く、、という話はあり得るような気がします。
ただ、当時は 言葉の壁もあったでしょうし、
船を何度も何度も乗り換えないとヨーロッパまで行けない
不自由さがあったようなので 技術を習得することは容易ではなかったのでしょう。

石積みについては 前々から興味があったので 
松江城の堀めぐりをしたときにも ワクワクしながら
時代による石の積み方の違いを見ていましたが
一方で 地震で熊本城の石積みが崩れてしまった映像を見たときには ショックでした。


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