大丈夫じゃない

 
 広島の我が家のリフォーム工事が終わりましたが、
 壁を取り外した時、床下を見ることができた時、天井裏が見えた時、
 機会を見て 基礎や構造の状態を点検しました。

 我が家が完成したのは 1968年。
 築年数にしては 家のゆがみなどは少ない方だと思いますが、
 初期の「建築基準法」による「旧耐震基準」の住宅だけに 大丈夫であるはずもなく、、、



大丈夫じゃない_d0174983_21153769.gif
建物に耐震設計が初めて義務付けられたのは1950年で この年に建築基準法が制定されました。



その後1964年の新潟地震、1968年の十勝沖地震を経て 1971年に建築基準法の改正があり、さらに 1978年の宮城県沖地震を経て1981年に大きな改正があったので、1981年6月以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼び、1981年5月以前のもの(旧耐震)と区別しています。


その後も建築基準法の改正は行われ、1995年の阪神淡路大震災を経て2000年の改正、2004年の新潟中越地震を経て2005年にも改正、と繰り返されましたが、
2006年に耐震強度構造計算書偽装事件が起こり、2007年には建築確認申請の厳格化などを盛り込んだ建築基準法の改正が行われました。


このような経過を踏まえたうえで、 一般的に 木造戸建て住宅の転換期は 耐震性が大幅にアップされる内容が盛り込まれている1981年の建築基準法の改正時だと言われています。


 下のグラフは 「揺れの強さによる木造住宅の全壊率」ですが
 これを見ると 1981年が木造住宅の耐震性能の境目になっていることがわかります。

大丈夫じゃない_d0174983_21294911.jpg

 言い方を変えれば 我が家のように1981年5月以前に建てられた家は 
 揺れに対して非常に危ない ということです。

 また グラフを見る限り 震度7の強い揺れでは 新耐震基準をクリアしても万全ではなく
 木造住宅であっても近年のマンションのように 免震や制震などの被害軽減の対策がされていなければ 大丈夫とはいえません。

 いくら免震マンションに住んでいても 東京にいる限り 予想されている大地震の恐怖から逃れることはできませんが、
 もし広島に 大きな地震が起こったら、、、、、002.gif

by saint-arrow-mam | 2016-11-07 09:20 |   ノスタルジー・忘備録・自分史 | Comments(4)
Commented by TanMatsui at 2016-11-07 10:04
地震科学的な解説ブログを、興味深く拝見しました。

このような内容を拝見するたびじ、このときを思い出します。
http://tanmatsui.exblog.jp/17167983/

実家の古い明治時代に建てた母屋は、新築のときに屋敷の後ろに平行移動させて、物置として使っていました。
このときの地震で、新居は無被害であったのですが、移動させた母屋は このブログの通りでした。

この物置母屋に置いていた骨董品的な品物の大半を失いました。 
足踏みオルガン、祖父母の箪笥、私のバイオリン、開局当時に丹精込めて作った無線送受信機 (笑) などなど。

地震は 多少の揺れでも恐ろしい気持ちに襲われます。

今日は午後から我が身にやって来る地震?対策で、定期健康診断に出かけます。
いままでの主治医 (教え子) が早々と閉院したので、バトンタッチして貰った
次の主治医 (教え子 女医) のもとに出かけます。 
Commented by shinmama at 2016-11-07 15:21 x
Hiro様

昨日も九州で地震があったようで テレビにテロップが流れましたが
あちこちで地震があるたびに 次は東京か?と恐ろしくなります。

かといって広島の家は古いので ただ運命に任せているのも情けない気がしています。
Hiro様のご実家の母屋と同じように 
広島の家は 物置として利用するのが正解かもしれないです。 
Commented by okadatoshi at 2016-11-07 20:29
今の団地に入居したのは、1979年(昭和54年)7月24日です。
当時は新しい工法というセキスイのツーバイ工法の家です。柱ではなく壁面で支える構造ということでした。
幸い阪神淡路大震災の時は、淡路と神戸の間にあるにも関わらず硬い岩盤の上の宅地だったためにピアノの上の写真入れが落ちて破損をした程度で済みました。
建てつけの悪い部分もすこしありますが、その後も大きな損傷なく過ごしていますが、1981年前だと危ないのですか。

少子化の進むなかで持ち家に固執するメリットがあるのかなとも思います。
ひと世代変わると社会状況がどうなるのか本当にわからない。

危ないと言われる東南海プレート以外の地方の活断層が動きますね。
都市機能があまりに集中しすぎている東京は、経済活動をする場所であって、子育てには向いてないと思います。
広島や神戸のような地方の中堅都市が多様な環境があって生活にはいいのでは。
Commented by shinmama at 2016-11-07 21:35 x
okadatoshi様

おっしゃるように壁で支えていますから
ツーバイ工法で 開口部が少ない家ならば 耐震性があると思います。
あとは 東西南北の一方向の壁に窓が集まっていなければ、さらに良いと思います。

豊洲には小さな子供が多いのですが、中学生、高校生の姿をあまり見ることがありません。
2LDKとか3LDKが主流なので 子供に固執を持たせるには 部屋数が足りなくなるのではないかと思います。
この街は 人口分布が偏った街だと思います。

広島に帰ると 退屈で物足りない一面もありますが
東京に比べて 時間がゆっくりと過ぎていくような気がします。


<< オカリナ 2年生へ 広島から豊洲へ >>