大学講座『建築設計の世界〜丹下健三の作品とその人物像に迫る〜』


 歩いて3分の距離に S大学の豊洲校があります。

 S大学は工学系の大学ですが、本年4月 建築学部が開設されるのに伴い、定期的に特別講座を開講するようで
 その第1弾として 日本を代表する建築家 丹下健三にスポットライトが当たりました。

 4月の初めに HPでこの講座の開設を知り、即、申し込んでいました。

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 講師は S大学の建築学部長に就任された堀越教授です。

 彼は 丹下健三の事務所で8年間一緒に仕事をし、
 その間に 東京新都庁の設計に携わったそうです。
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 S大学の学食に行ったことはありますが 教室に入るのは初めてです。(笑)
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 会場は 教室棟の3階。
 100名以上が入ることができそうな 広さがあります。

 息子の大学の古くて暗い教室に比べると 何もかもが新しくて 白いインテリアで統一され、清潔感があります。
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 丹下健三は 広島高等学校(現広島大学)理科甲類に在学中に 
 ル・コルビュジェの「ソビエト・パレス」という作品に出会い、
 建築家を目指したいと考え、2年浪人して 東京帝国大学工学部建築科に入学したそうです。

 丹下健三が 広島平和公園のコンペで一等入選をしたのは
 広島に縁があったから、、、ということもあったのでしょうが、

 コンペの応募したデザインは 実際とは少し異なるデザインだったようで
 特徴的な 大きなアーチがあり、、、

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 コルビュジェの作品である 「ソビエト・パレス」に 似てる、、、
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 しかも 「平和祈念資料館」のデザインも
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 ル・コルビュジェがデザインし、世界遺産に指定された「西洋美術館」に似て
 1階部分は 柱で建物が支えられている構造です。


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 これは 丹下健三氏が ル・コルビュジェを尊敬しているからで
 決して パクったとは言わない、、、のでしょうね。(笑)

 そのほかにも 丹下健三は世界中に多くの建築物を残し
 特に 東京都庁や 東京カテドラル聖マリア大聖堂などは 
 70歳を越えた彼が設計した 代表的品です。

 そして 講師の堀越先生が 建築家をめざすことを決めたという 丹下健三の作品の前に 今、私はいます。

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by saint-arrow-mam | 2017-05-13 08:41 |   講演会 | Comments(4)
Commented by TanMatsui at 2017-05-13 19:09
丹下健三氏の広島平和祈念資料館、東京都庁などの設計は有名ですが、
意外と知られていないのが これです。  ↓
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/30974

 お江戸では 興味のある様々な講演会が頻繁に開催され、羨ましい限りです。
Commented by okadatoshi at 2017-05-13 20:08
建物として機能性と建築コスト、強度計算を総合的に考えた上でのデザインの美しさが評価されるので、総合的な視点と全体が見渡せる能力が必要なんでしょうね。
専門家の視点から見ると興味深い内容と思います。

レイアウトが決まった後、細部に渡る工程表が組まれて、それが下ろされて、スケジュールが決まり当然手直しが繰り返され・・・・・・・。
最終的に建物が完成し人が入って建物が息を始めるまでの課程にも興味があります。
Commented by shinmama at 2017-05-14 10:04 x
Hiro様

平和公園については 丹下健三氏とイサムノグチ氏の間で どのようなことがあったのか
真実はわかりませんが、今回、初めてイサムノグチがデザインし慰霊碑のスケッチを見ました。
それは それは 画期的な素晴らしいデザインだったので、
もしこれが採用されていたら 平和公園は芸術性の高さでも 世界から認められていたのではないかと思いました。

90歳を越えるまで建築にかかわる仕事をされていたので
彼の残した建築物が いまなお多く現存していることは ありがたいです。
Commented by shinmama at 2017-05-14 10:20 x
okadatoshi様

丹下健三にしても 黒川紀章にしても 安藤忠雄にしても
建築家として 良い時代を生きられた運の良い方である気がします。

個人住宅の設計は 建築会社の社員が図面を描き
中小のビルでも 構造計算は外注しなければならず、
高層ビルやマンションは ゼネコンが牛耳る、、、となると
個人で設計事務所を開業されている方は 大変で
才能があっても なかなか独り立ちして やっていけない職種になってきました。

日本には ヨーロッパのように 古い建物を残す文化はなく
歴史を感じる建築物でも、不自由になったら 取り壊して新しいものにしようとしますし
建築強度にはうるさく言うわりに 建築規制はゆるゆるですし、
建築家泣かせの国ですね。


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