久々に 面白く かつ 身につまされる思いがする 恐ろしい本に出会いました。 なんの予備知識も持たず 読み始めたところ、展開の意外さと面白さに 思わず徹夜して読んでしまいましたが、 ストーリーの全体を知ってしまった今となっては、もう一度 読むには 勇気が必要になってしまいました。 本の内容紹介より 定年って生前葬だな。衝撃的なこの一文から本書は始まる。 大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。 仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。 図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。 どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。 妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。 これからどうする? 惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか? ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。 シニア世代の今日的問題であり、普遍的テーマを描いた 話題沸騰必至の問題作。 もし、私が40代の時に この本が出版されていたら、全く別の感想になっただろうと思いますが 私自身が すでに「終わった人」で Shinpapaも ほぼほぼ「終わった人」なので 筆者である 内館 牧子氏の あまりに露骨で遠慮がない表現に 身につまされ、 我が家をどこからか 覗かれているような 気恥ずかしささえ感じました。 きっと 同世代の人が 同じような思いをしている ということなのでしょうが、 個人的には 主人公の設定に合い重なる部分があり ゾクゾクするほどの現実味があります。 この本はベストセラーで、最近 映画が製作され、6月9日に公開されるようですが ネットで映画の予告編を見る限り、主人公やその家族に関して 私が本から受けたイメージとは かなり かけ離れているように思えました。 となれば 「本」からもらった共感や教訓を 「映画」を見ることで 失いたくないので 今回 私は 映画を見ることはしません。 内館 牧子氏の本を 久しぶりに読みましたが、相変わらず彼女の文体は 淡々としてわかりやすく 感情移入して 一気読みしたくなる 不思議な魅力があります。
by saint-arrow-mam
| 2018-05-14 09:28
| 映画・本
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Comments(10)
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よし坊
at 2018-05-14 10:42
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面白そうな本ですね。
高学歴や出世コースは僕とはカスリもしませんが知りたい気もする。 大人ガチャは無いんですか?サッカースタジアムにはありますが。 お好み焼き屋も大変だ、、、
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よし坊様
読んで心が晴れ晴れする、、、という内容ではありませんが 「終わった人」が家にいる女房の心境を 非常に良く表現できている気がします。 Shinpapaに 読んで、、、と言って渡していますが、 敏感に身の危険を感じるのか 読もうとしません。(笑) ガチャは 外国人に人気があるようで、先日来日したオーストラリア人の友人も 孫に頼まれたといって たくさん買っていました。 中に入れるフィギアを 全部セットにして 箱単位で売っていたのですが 値札に「大人買いの箱売り」と書かれていました。 そうか、大人は いちいちガチャせずに 箱で買うのか、、、と思いました。
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okadatoshi at 2018-05-14 13:22
神戸市の図書館で「終わった人」の貸し出し状況を検索したら
37冊すべて貸し出し中。 内館 牧子氏がこの本を執筆した思いをネットでチェックしました。 60台を体験し周りを見ていた立場から、およその内容は検討がつきます。 ▼ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49790 う~ん、60台は枯れていない・・・か。 70台の私は中身はドライフラワーかも。(;_;) 元同僚と話す機会がありますが、病気と昔話が多い。 やがて難聴が進み、周りと話もしにくく聞こえなくなるのでしょうが。 ダンナが自宅にずっといて、しかも料理を作り続けて 身の回りの世話を続け、奥様の定年はないという状態では ストレスが貯まります。 口先だけでは解消しない。 余裕が出来た分、家事の分担とか考えなくては。 ご旅行ですか。 blogの更新から解放され、自由な時間をお楽しみください。
okadatoshi様
同級生たちが次々に「終わった人」になっていますが 我が家は少し早めに「生前葬」を済ませたので(笑) この本の意味するところを 数年経験した分だけ、切実に感じました。 >ダンナが自宅にずっといて、しかも料理を作り続けて 身の回りの世話を続け、奥様の定年はないという状態、、、 はい、自分の親たちが そうであったので これは当然のことだと思っていましたが あまりに何もしてくれない同居人を見ていると 時々 反乱を起こしたくなります。(笑) 教えていただいたサイトを拝見して 内館氏の着眼力の鋭さに驚きました。 それぞれ 異なった人生を歩いているのに 同じ感想を持つ読者が多いことが奇妙な気もするのですが、 事実 私自身がそうであるのですから 彼女の狙いに狂いはなかったということでしょうね。 「家庭内別居」や「仮面夫婦」という状態は 皆に認知されていますが、 これからは 「卒婚」という状態が 老々夫婦の選択肢の一つになるのかもしれないと 思っています。(きっぱり)
きぬえさま
私は 渦中にいるだけに切実な思いがしましたが きぬえさんはお若いので、きっと 少し距離を置いてこの本をお読みになることができたのではないでしょうか? 私も もう少し若い時に この本を読んでおいて、今の年齢になった時に もう一度読み、 自分の持った感想の違いを知りたかった気がします。 でも お互いに 心に残る本の一つになったようですね。 (^^)/
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at 2018-05-19 10:09
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2018-05-19 17:24
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
きぬえ様
私 1954年 生まれなのです。 ウハ、年齢がバレバレ。(笑) プライバシー保護のため(笑) Shinpapaについては きぬえさんの 同じ本についてのブログに書かせていただきました。 <(_ _)>
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