アラスカに関する本 


 クルーズの時には 本を持って行くのですが、
 今回は じっくり読みたいと思っていた 火坂雅志の「真田三代」と一緒に 
 アラスカに関する本を 3冊用意しました。

 3冊とも 往路の機内で 泥縄で アラスカに関する本を読むつもりだったのですが
 バッグに入れる前に 1冊だけ ちょこっと読んだところ
 あまりに感動して 読むことを止められなくなってしまい、
 それどころか 何度も何度も読み返してしまったのが 「旅をする木」です。

アラスカに関する本 _d0174983_19525084.jpg



 著者の星野道夫氏に関しては 多くの情報がネットに存在しますので 省略させていただくことにして、
 「旅をする木」を読んで 私は、、、

 厳しい寒さの中、水道も電気もない生活をする 原住民がいること。
 それが 過去の話ではないところに アラスカの現実を 知りました。

 そして 先人たちが あえて文明の恩恵を受けない道を選んだからこそ 
守ることができた自然の尊さ。
 それを無視して 施設がショボイとか、交通が不便だとか言っていては、
 アラスカに行く意味がない、という事も わかりました。
 
 本の中には アラスカに何十年も住んでいる 星野氏だからこそ 発することができる
 自然に対する優しい思いが 沢山ちりばめられています。

無窮の彼方へ流れゆく時を、めぐる季節で確かに感じることができる。
 
自然とは、何と粋なはからいをするのだろうと思います。
 
一年に一度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。 

その回数をかぞえるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれません。
  「旅をする木」より


 そして トーテムポールのことを ”原住民の木彫り作品” 程度にしか思っていなかった私は
 この本で トーテムポールの歴史とその役割を知り 愕然としました。

 寄港地で トーテムポールに出会ったら 
 それらの一つ一つを 深い思いの詰まった神聖な存在として認識し、
 敬意を表して 見上げることにしようと 思いました。 

なぜ人々が過ぎた日々をなつかしみ、死者を存在させつづける信仰をつくったのか、今わかります。
 
ひとつの生命が、深く愛し頼りきっていた人が存在しなくなってしまうことを、人の心は許容できない。
 
認めることを拒否するからでしょう。
  「旅をする木」より




 
 実は 星野氏の本を 事前に読んでしまったことで 
 アラスカに行って したいこと、見たいもの、感じたいことが
 それまで思い描いていたものと 大きく変わりました。

 そして アラスカへ行くのなら、氷河を見る時期ではなく、
 痛いほどの ”極寒” を体験できる時期にすればよかったと 後悔しました。

 果して 実際に見て、聞いて、触れて、何を感じたのか? 
 帰国後の自分自身に 聞いてみたいと思います。

by saint-arrow-mam | 2018-10-03 06:00 |   (E)アラスカクルーズ | Comments(2)
Commented by きぬえ at 2018-10-01 08:39 x
「旅をする木」、俄然読んでみたくなりました!
素敵な情報をありがとうございます、、、
「アラスカ物語」、大感激の一冊でした、、、
Commented by saint-arrow-mam at 2018-10-01 09:53
きぬえ様

その昔に読んだ「アラスカ物語」ですが、
実際にその地に立つと思うと、真剣に読み直すことになり、
思いは深くなりました。

星野さんの2冊を比べると、「旅をする木」の方が、
私には感動的で、何度も何度も読み返しました。
お薦めします。


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