カテゴリ:  映画・本( 64 )

本『アメリカ彦蔵』


 今回 クルーズに持って行った本の中で 
 次の 2冊の本は クルーズを意識して 借りて行った本です。
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 1冊目は 帚木 蓬生の『受難』。

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内容(「BOOK」データベースより)
 韓国沖合で大型旅客フェリー世月号が沈没、多くの犠牲者が出た。
 船会社のオーナーは事故直後から姿を消し、その杜撰な管理体制が次々と明らかになっていく。
 同じ頃、韓国で細胞工学の治療院を経営する津村のもとに、溺死して冷凍保存された少女の遺体が運ばれた。
 津村はiPS細胞と3Dプリンターを駆使して少女のレプリカを作ることに成功。
 彼女は記憶を呼び覚ましながら、自分が世月号に乗船していた事実を知るが、、、。




 そして 2冊目は 吉村 昭の『アメリカ彦蔵』。
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内容(「BOOK」データベースより) 
 嘉永三年、十三歳の彦太郎(のちの彦蔵)は船乗りとして初航海で破船漂流する。
 アメリカ船に救助された彦蔵らは、鎖国政策により帰国を阻まれ、やむなく渡米する。
 多くの米国人の知己を得た彦蔵は、洗礼を受け米国に帰化。そして遂に通訳として
 九年ぶりに故国に帰還し、日米外交の前線に立つ。
 ひとりの船乗りの数奇な運命から、幕末期の日米二国を照らし出す歴史小説の金字塔。




 どちらも 船が遭難するところから始まるのですが、
 波に揺られて読むには 『アメリカ彦蔵』が とても面白く感動しました。

 昨年 アラスカにクルーズするために 予習をしたときに
 多くの日本人が漂流し、シトカに辿り着いたことを知りましたが
 まさに そのストーリーです。

     ブログ アラスカへの旅 5日目 シトカ ⇒ https://runslowly.exblog.jp/27143454/

 ”現地シトカの記憶”と ”QEの船内で飛び交う英語” そして”船の揺れ”と ”はてしない海原”が 
 非常に 物語の臨場感を 刺激して まるで4D映画を見るような感じがしました。

 夢の中で 何度も江戸時代にタイムスリップしてしまったくらい 
 クルーズ中に読むと 不思議な影響があります。

 今でも どこかに「彦蔵」がいるような、、、、。

by saint-arrow-mam | 2019-05-03 20:28 |   映画・本 | Comments(0)

本『屋根をかける人』

 ”本は借りても 買わない” と気を付けているのですが、
 このところ 単行本を立て続けに買ってしまったので 
 お江戸の本棚が 窮屈になってきました。

 いかん、いかん。
 でも 何度も読み返したくなる本が また作家が 増えてきているのも事実です。

 「伊東 潤」「百田尚樹」に続いて 
 今回読んだ「屋根をかける人」の著者である「門井慶喜」との出会いにも 危険を感じています。 

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 以前 近江八幡に行ったとき、 建築家として有名なヴォーリズが
 有名な「メンソレータム」を 日本に広めたことを知り、
 また NHK連ドラの「あさがきた」に ヴォーリズが登場し、
 主人公と縁続きであったことにも 驚きました。
 
 そんなこんなで ヴォーリズの人生に 興味を持っていたところへ
 第158回直木賞を受賞した門井慶喜氏が ヴォーリズについて連載していた小説「隣人の家」を
 加筆修正して、最近『屋根をかける人』として発刊したことを知りました。

 本を買おうと決めたときには たいていそれが文庫本になるまで待つのですが、
 今回は 待ちきれず 単行本を購入して読み始めました。


  <万城目 学氏による評論>
今も日本各地で現役の建築として、人々に愛されているヴォーリズ作品。しかし、意外なことに、ヴォーリズその人は生粋の建築家ではなかった。
そもそも彼はキリスト教の伝道師であり、日露戦争のさなか英語教師として近江八幡の商業学校に赴任した。そこから建築の世界に足を踏み入れ、さらにはメンソレータムの販売まで始め、今日の名声を得た。

その足跡をリズムよく追いつつ、物語の隠れた核となるのは、敬虔なキリスト教徒の彼が天皇制及び天皇その人と、いかに折り合いをつけていくかという心の遍歴だ。それはすなわち、生真面目と思えばときに意地悪、ときに欲張り、ときに情熱家、実に人間くさいヴォーリズが、日本という国と真摯に繰り広げた対話の軌跡でもある。

私がまったく知らなかったのは、ヴォーリズが日本に帰化していたこと、私が生まれるたった十二年前まで生きていたという事実だ。はるかむかしの偉人と思いきや、昭和をじっくりと生き抜いた意外と身近な人物だったのだ。

ところで、どうしてヴォーリズは近江八幡という小さな町を生涯通じ、あれほど愛したのか? 私は一つの仮説を持っている。
高校時代、アメリカのコロラドにホームステイした経験がある。野外学習でロッキー山脈の麓に連れていかれたとき、平原の向こうに延々と連なる、雄大な山の眺めに感嘆した。
それから二十年後、琵琶湖を舞台にした小説の取材で、近江八幡のある琵琶湖東岸を訪れたとき、琵琶湖を挟んで彼方に連なる、比叡山を含む比良山地の眺めに、「ロッキー山脈みたいだな」とあの日の風景を反射的に思い出した。

この本は、コロラドの高校・大学を出た若きヴォーリズが、船に乗って太平洋の向こうからやってくるところから始まる。



  <作家 門井 慶喜について>
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。08年『人形の部屋』で、09年『パラドックス実践』で日本推理作家協会賞候補、15年 『東京帝大叡古教授』で第153回直木賞候補。16年、『マジカル・ミステリー・ツアー』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞。17年、『銀河鉄道の父』で第158回直木賞受賞。
作品は『天才たちの値段』『天才までの距離』『血統(ペディグリー)』『新選組颯爽録』『家康、江戸を建てる』など



 興味を持っていたヴォーリズについての本ですから、まず一気読みをして、
 2度目は 近江八幡の風景を思い出しながら 気になったところに付箋を付けて読み、
 3度目の今、彼の年表と照らし合わせたり、作品を画像で確認しながら じっくり読み返しています。 

 ヴォーリズ年表 → http://www.vories.co.jp/company/history.html

 寝る前に読みたいのですが、ハードカバ―の本は重たいので 
 首の悪い今は 仕方なくガマンしています。(笑)
 
by saint-arrow-mam | 2019-01-12 22:34 |   映画・本 | Comments(2)

本『日本国紀』


 11月末から12月にかけて クルーズをしている間、
 「持ち出し禁止」のこの本を読むために
 毎日、ライブラリーに通いました。

 クルーズ船のライブラリーの本は ほぼほぼ「貸出し」してもらえるのですが、
 発売されて間がない新刊だけは 「持ち出し禁止」のシールが張られているのです。
 

d0174983_21260169.jpg なんとか 流し読みで 読み切ったものの、
 日が経つごとに じっくり 読みなおしたい思いが強くなり、 
 また この本は 手元に残しておきたくて、
 購入してしまいました。


 そして 今回、東京から 広島までの新幹線の中で
 2度目の読破。

 いつもは 長く感じる4時間の移動時間も
 あっという間でした。





 内容について、「BOOK」データベースでは

 私たちは何者なのか―。
 神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
 本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、
 壮大なる叙事詩である!当代一のストーリーテラーが、平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!


 と書かれていますが、
 実際には その評価は 大きく分かれているようです。

 この本は Cコードの0021ではなく0095に類する書であり、
 つまり「日本史」の本ではなく、あくまでも「日本文学・評論・随筆・その他」の本であること。

 また 本書の帯書きにもあるように
 この本は「壮大なる叙事詩である」とあると同時に「日本通史の決定版」であること。

 この本を読む場合、この2つの側面があることを 頭の隅に置いておかないと 
 史実と本に書かれていることを 混同してしまう危険性はありますが、
 逆に この2つの側面があるからこそ 私のように歴史に疎い人間でも興味を持ち、
 面白く感じたのだと思います。

 ちなみに この本の内容が ところどころ私には重くかんじるので、
 同時進行で
 「ニューヨークのとけない魔法(岡田光世著)」と「パリでメシを食う(川内有緒著)」を読んでいます。

 この3冊の組み合わせは 頭の切り替えに非常に効果を発揮していますが
 「日本国紀」は分厚いので 持ち運びには 不向きであることがわかりました。(笑)

 

by saint-arrow-mam | 2018-12-25 06:00 |   映画・本 | Comments(8)

映画『ボヘミアン・ラプソディー(Bohemian Rhapsody)』

 
 「映画」と「本」が大好きな Shinは 自分が見て、あるいは読んで 「いいな」と思ったら、
 必ず教えてくれます。

 「こんな映画 興味ない」と私がスルーするつもりの映画を、
 Shinに言われて見に行くと 感激をすることが多くあります。

 彼と私たちは親子ゆえ、琴線に触れる物が 同じかもしれず、
 新しい情報に疎くなっている 老夫婦には 
 教えてくれることは、ありがたいと思っています。

 そんな Shinが クルーズに行く前に 老夫婦に熱心に勧めてくれたのが
 『ボヘミアン・ラプソディー(Bohemian Rhapsody)』でした。

 クルーズ中も この映画のことが気になり、どこかの寄港地で見ようかとも話していたのですが チャンス が無く、
 とりあえず、クルーズ中に 東京に戻った翌日(日曜日)の席をネット予約しておきました。

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 私もShinpapaも 世代的に ”クイーン”というバンドの名前と ヒット曲くらいは知ってはいますが、
 ファンというわけでは ありませんでしたし、
 ロック、パンクという分野の音楽には 正直 興味がありません。

 でも この映画は そんなことどうでもよい、、、というか
 偏見を持たずに 多くの人に 見て欲しい映画、、、というか
 久しぶりに ぐっとこみあげて 涙を流した映画でした。

 1人のミュージシャンを通して、グループができるまで、音楽ができるまでの時間を
 リアルに かつ 生々しく見せてくれているのですが
 クラシックであろうと、ロックであろうと 音楽って素晴らしい!!と 実感させてくれますし、
 本当に 必要なのは、お金なのか、名誉なのか、親なのか、それとも共感できる友達なのか、
 ということも 考えさせてくれる深イイ映画でした。

 見終った途端に Shinpapaが 「おれは昔からクイーンのファンだった」
 と言い出したので 大笑い。

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 予告編は短すぎて 映画全体のイメージが わかりにくいのですが
 HPに掲載されている YouTubeより お借りしました。

     



 その日のうちに ShinにLINEすると
 返事は いつものように たったひとこと、、、。

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by saint-arrow-mam | 2018-12-11 00:00 |   映画・本 | Comments(0)

本『武士の碑』


 大河ドラマも いよいよ大詰め。
 前回の放送では、西郷と幕末以来の盟友であった大久保が ついに仲たがいをしてしまうところまで 話が進みました。


d0174983_19274273.jpg たまたま 隅田区と台東区のツアーに参加することもあって、
 読み始めたのが 伊東潤の 『武士の碑(いしぶみ)』です。


 気に入った本に出会うと 徹夜して読んでしまうので、
 それを止めてくれる人がいないボッチ生活の時には 
 歴史小説は読まない様に 気を付けているのですが 
 この本に 出会ってしまいました。(笑)
 

 ちょうど 大河ドラマを予習しているような感じですので
 俳優さんの顔が 本の中の登場人物とダブって 
 場面ごとに リアルな映像が浮かびます。

 ただ、筆者独特の表現方法なのか、
 シーンを行ったり来たりしながら、話が流れていくので
 気の短い私には 少し イラっとした印象を受ける場面がありました。



 
 学生時代に、歴史が得意な友人が 
「未来は変わるが、過去の歴史は変わらないから好きだ」と言うのを聞いて、
 私には そういう考え方ができないから、歴史に疎いのだと 当時は納得していました。

 でも 歴史の本を読むようになってみると
 1つの歴史的事実を どちらの立場で考えるか、だれの目線でみるかで 解釈が大きく変わり
 そうなると 過去の歴史は変わらなくても その解釈は 後世に変わる可能性がある、、と
 最近の私は思うようになりました。

 本の内容は、、、(以下「BOOK」データベースより)
 西郷隆盛が下野したとの報に接した村田新八は、フランスから帰国。
 大久保と西郷の“喧嘩”を仲裁するため、故郷である鹿児島へ向かった。
 だが大久保の挑発に桐野利秋らが暴発して挙兵、新八もそれに否応なく巻き込まれていく。 ここに、わが国最後の内戦・西南戦争が始まった。
 西郷・大久保の後継者と目された村田新八を主人公に 西南戦争を真正面から描いた渾身の長編小説。



 また 著者の伊東潤氏は 日本IBMから外資系マネジメントを歴任し、コンサル会社を設立した後、
 2007年の『武田家滅亡』でメジャーデビュー。
 2010年に専業作家となった ユニークな経歴の持ち主です。 

 にもかかわらず 華麗なる文学賞受賞歴を持つ作家で

 第1回「本屋が選ぶ時代小説大賞」(2011年)
 受賞作:  『黒南風の海ー加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』

 第34回「吉川栄治文学賞新人賞」(2013年)
 受賞作:  『国を蹴った男』

 第2回「歴史時代作家クラブ賞」(2013年)
 受賞作:  『義烈千秋 天狗党西へ』

 第4回「山田風太郎賞」(2013年)
 受賞作:  『巨鯨の海』

 第1回「高校生直木賞」(2014年)
 受賞作:  『巨鯨の海』

 第20回「中山義秀賞』(2014年)
 受賞作:  『峠越え』

 直木賞にも 毎年のようにノミネートされているので、そのうち受賞する作家だろうと思われます。
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 私の読書スタイルは ジャンルの違う本を 並行して数冊読むことと、
 面白い本に出会うと その作家の作品を読みつくすこと。

 今は 「内館牧子氏の本」と「川内有緒氏の本」と「伊東潤氏の本」の3本立てで
 これから 伊東潤氏の作品を 片っ端から読破して行こうと思っています。

 とりあえず 借りたり買ったりして 手元に用意した6冊。
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 伊東潤氏が次々に新作を書いてくれれば 読みつくすことはないので、
 彼の作風に飽きない限り、「追っかけ」をしようと思います。


by saint-arrow-mam | 2018-11-19 06:00 |   映画・本 | Comments(4)

映画『ジュラシック・ワールド』4D

 昨年、豊洲のシネマコンプレックスに 4D専用の部屋ができてから、
 ずっと 4D映画を経験してみたかったのです。

 4D映画とは、、映画の世界を五感で味わう “体感型” の上映システムのことで
 映画のシーンに合わせて 座席が動いたり揺れたりするほか、お花や煙の匂いを感じたり、  
 嵐で水しぶきや風を受けるなどの 特殊効果があるのが特徴です。

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 遊園地のアトラクションのような ドキドキ感や、
 映画の世界に入りこんだような 圧倒的な臨場感を楽しめるというものですが、
 ジェットコースター系は 絶対にダメ というShinpapaに断られたので、ボッチで行くチャンスを狙っていました。
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 今回見ることにした 第1の理由は 鑑賞料金です。
 一般の3D映画で 3,000円以上、4Dは さらにそれより1,000円程度高くなるそうですが、
 現在、特別興業料金の1,500円で 4D映画を見ることができるという事。


 2番目の理由は 手に持っているポップコーンが飛び出るほど 椅子が揺れる4D映画
 ほぼほぼ ”吹き替え”にされていることが多いのですが、
 この映画が日本語字幕の映画であり、しかも日本語字幕を読まなくても ストーリーが分かる事。

 「待ってました」とばかりに 勇んで見に行ったのは「ジュラシック・ワールド」でした。(笑)

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 長々と偉そうに 書きましたが、 
 実は この映画は 8月に封切りされる予定の
『ジュラシックワールド/炎の王国』の 前回作なのです。(泣)



 Youtubeに 予告編が残っていましたので アップしましたが、
 見る時に、身体を絶えず前後左右に揺らし、また恐竜の足音に合わせて ドスンドスンと椅子を揺らし
 頭上と耳元に 扇風機を吹きつけていただくと 4Dのイメージに近くなるかもしれません。

           

 幸いにも シリーズ1作目のこの映画を クルーズ船や飛行機の中でも 見る機会が無かったので
 突然でてくる恐竜に驚き、音に驚き、光に驚き、風に驚き、水に驚き、煙に驚き、、
 「ワオ」「ヒャー」と 声を出してしまいました。
 
 隣に座っていた イケメンの外国人男性も ”Wow" ”Wow” と 大声を出していたのには 笑いました。

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 クライマックスシーンで 大きな揺れが続くときには 両手で肘掛を握りしめて 体を支えていたのですが
 自分の重い身体を 腕だけで支えきれず、だんだんずり落ちていく私に
 映画が終わった時、「あなたが 最後に椅子から落ちるのではないか と心配した」と 言い残し 
 イケメン男性が 笑いながら帰って行きました。
 
 明日 私の上腕二頭筋は 間違いなく筋肉痛になっているでしょう。 
by saint-arrow-mam | 2018-06-29 06:00 |   映画・本 | Comments(2)

映画『万引き家族』


 このところ見たい映画がなかったので、映画館に行くのは 3月以来です。

 正直、今は この映画よりも見たい映画があるのですが、
 カンヌ映画祭で 最高賞(パルムドール)を受賞した「万引き家族」に 敬意を表して、この映画を優先。

 なにせ カンヌ映画祭で 9分間ものスタンディングオベーションの賞賛を受け、
 海外の審査員に 「完全に圧倒される 並外れた作品である」と絶賛されるほど 高評価をもらった映画ですから。


         


 結果からいうと
 映画が始まりが 万引きシーンだったことには 軽い衝撃を受けましたが、
 中盤は 樹木希林の名演技に 惚れ惚れ、、、、
 そして それまでの話の流れとは一変して 緊迫したシークエンスと共に、
 家族の秘密が明らかになる終盤になって、意外性は感じたものの、鈍感な私は 感動には至りませんでした。

 でも 是枝監督の 『そして父になる』の映画を見たとき、
 見た直後には へえ、、、という薄い感想しか 持てなかったのに
 時間が経つにつれて 徐々に心が動かされ、記憶に残る映画の一つになったのと 似ている感じがします。

 映画の どの場面が海外の人達の心の琴線に触れたのか 今の私には想像がつかないのですが、
 見終った直後、味わったことのないほど 居心地の悪さを感じる映画であったことは 間違いありません。

 これは 決して映画がつまらないとか、俳優が下手だとか いうのではなく、むしろその逆で
 ハッピーエンドで終わらない映画であったために 「何とかならないの?」と感情移入した結果の
 居心地の悪さであり、やるせなさ でした。

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by saint-arrow-mam | 2018-06-28 08:31 |   映画・本 | Comments(6)

本『終わった人』


 久々に 面白く かつ 身につまされる思いがする 恐ろしい本に出会いました。

 なんの予備知識も持たず 読み始めたところ、展開の意外さと面白さに 思わず徹夜して読んでしまいましたが、
 ストーリーの全体を知ってしまった今となっては、もう一度 読むには 勇気が必要になってしまいました。

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 本の内容紹介より
  
  定年って生前葬だな。衝撃的なこの一文から本書は始まる。
  大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。
  仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。
  図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。
  どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。
  妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。
  これからどうする? 惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか?
  ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。

  シニア世代の今日的問題であり、普遍的テーマを描いた 話題沸騰必至の問題作。


 もし、私が40代の時に この本が出版されていたら、全く別の感想になっただろうと思いますが
 私自身が すでに「終わった人」で Shinpapaも ほぼほぼ「終わった人」なので
 筆者である 内館 牧子氏の あまりに露骨で遠慮がない表現に 身につまされ、
 我が家をどこからか 覗かれているような 気恥ずかしささえ感じました。
 
 きっと 同世代の人が 同じような思いをしている ということなのでしょうが、
 個人的には 主人公の設定に合い重なる部分があり ゾクゾクするほどの現実味があります。

 この本はベストセラーで、最近 映画が製作され、6月9日に公開されるようですが
 ネットで映画の予告編を見る限り、主人公やその家族に関して 
 私が本から受けたイメージとは かなり かけ離れているように思えました。

 となれば
 「本」からもらった共感や教訓を 「映画」を見ることで 失いたくないので
  今回 私は 映画を見ることはしません。

 
 内館 牧子氏の本を 久しぶりに読みましたが、相変わらず彼女の文体は 淡々としてわかりやすく 
 感情移入して 一気読みしたくなる 不思議な魅力があります。 

by saint-arrow-mam | 2018-05-14 09:28 |   映画・本 | Comments(10)

『きゃらしゅの ぱやしゃん』


d0174983_16521019.jpg 2日に 絵本作家の かこ・さとし氏が 92歳で死去され、

 すでに 近親者によって 葬儀が済まされていました。

   ← かこさとし HPより



 かこさとし氏の本の中で 「からすのパンやさん」は Shinが小さい頃 大好きだったので
 毎晩毎晩 何度も読み聞かせをしました。
 
 そのうちにShinが お話しを全て覚えてしまい 
 「きゃらしゅ(からす)の ぱやしゃん(パンやさん)」を
 声の強弱、高低を極端につけ、舌足らずの発音で 音読していましたっけ。

 そのうち、いろんなパンが作りたい と言いだしたので、
 近所のパン屋さんの「手作り教室」に 参加したことがありました。

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 その後、「かこさとし おはなしのほん」シリーズは 次々に発売されたようですが、、、
 
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 3歳になったkoharuにも 「からすのパンやさん」を買ってやったところ 大好きになり、
 Shinの時と同じように 何度も何度も読んでくれ と せがまれました。

 ShinとKoharuでは 特に興味のあるページが 異なっていますが、
 時代が移り変わっても 小さな子供がひきつけられる 不思議な魅力が この本にはあるのでしょう。

 そのkoharuも 昨年 パン作りデビューを。(笑)

     ブログ → https://runslowly.exblog.jp/24437654/
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 次に 少し大きくなったShinが 「星」に興味を持った時、買い揃えてやった 「ほしのほん」シリーズ。

 かこさとし氏は 絵本作家というだけでなく 工学博士であり、化学技術士でもあるので
 夢物語的な内容ではなく、科学的根拠を踏まえた内容で 大人が読んでも違和感がありません。

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 koharuの本を買いに行き、本屋さんの幼児書コーナーで かこさとしの本を見つけると 
 子供たちに混じって 立ち読みしてしまう私。

 あ~~、もう 彼の新作を読むことができないんだ。

by saint-arrow-mam | 2018-05-09 06:00 |   映画・本 | Comments(4)

映画『5時17分、パリ行き』

         

 クリントイーストウッドが主演した ダーティハリーシリーズには あまり関心がなかったのですが、
 彼が監督をした映画は 必ず見るようにしていて、映画館で見れなかったときには レンタルビデオを借りています。

d0174983_11363757.jpg 中でも 

 「ハドソン川の奇跡(2016)」
 「人生の特等席(2012)」
 「ヒア・アフター」
 「インビクタス 負けざる者たち(2010)」
 「グラン・トリノ(2009)」
 「チェンジリング(2009)」
 「硫黄島からの手紙(2006)」
 「父親たちの星条旗(2006)」
 「ミリオンダラーベイビー(2005)」
 「スペース・カウボーイ(2000)」
 「マディソン郡の橋(1995)」

などは テレビで放映される時に 何度目であっても必ず見ています。



『5時17分、パリ行き』も 映画館で予告編を見た時から 興味津々。
 公開される日を 首を長くして待っていました。
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 ストーリーは アムステルダム発・パリ行きの特急列車内で起きた 
 イスラム過激派による無差別テロの「タリス銃乱射事件」の現場に 偶然居合わせ、
 命を捨てる覚悟で犯人に立ち向かった 3人の若きアメリカ人を描く実話が 描かれています。
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 作品の最大の特徴は、テロ事件に居合わせた主演3人を、
 それぞれ 当事者本人が演じたということです。

 『ハドソン川の奇跡』でも実際の現場にいた人々をエキストラとしていましたが、
 今回は よりリアリティにこだわり、主演の3人をはじめ、
 当時 列車に居合わせた乗客役も当事者たちに 出演を依頼したそうで、
 撮影も 実際に事件が起きた場所で行うなど、ハリウッド映画史上前代未聞の試みに挑戦したそうです。

 イーストウッド監督の これらのこだわりを とするかとするか、、、、ということで考えると、
 過度な脚色や表現がないので、ドキュメンタリー番組を見ているような 安心感はありますが
 大袈裟な演出が無いので、気持ちが盛り上がるドキドキハラハラ感が 全くありませんでした。
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 「事実」は たとえそれがテロ事件であっても 経過はあっさりとしたものなので
 正直に その過程を再現した今回の映画は Shinpapaには なんだか物足りなかったようです。

 私は 「これはこれで イーストウッド監督らしくって あり」だと 思ったのですが、、、。

by saint-arrow-mam | 2018-03-06 06:00 |   映画・本 | Comments(6)